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感想「エドガー賞全集(1990〜2007)」

「エドガー賞全集(1990〜2007)」 ハヤカワミステリ文庫

MWA年間最優秀短篇賞受賞作の集成だけに、さすがにハズレのない短篇集。
年間最優秀としてはどうなんだろうと思うものもないではないが、それにしても一定の水準には確実に達している。どれも面白く読めた。
前半の90年代はキャラクター物とノスタルジー色が濃い作品が優位な傾向が見える。年間最優秀?、と思った作品は、前半に多いが、もしかすると短篇ミステリ全体がやや低調な時期だったのかも。ブロックのケラー物が2回受賞ってのも、出来は確かに良いにしても、ちょっとどうかな、という気がする。ただし、90 年代の10篇のうち、少なくとも8篇はどうやら既読で、それで新鮮味が薄れていたことが、そういう印象の一因ではあるのかも知れない。
もっとも、99年の「密猟者たち」は、既読であっても、圧倒的な迫力を感じさせた。アリゾナを舞台にした土俗的で特異なサスペンスだが、登場人物像も舞台の描写も分厚い。本書中のベスト短篇はこれじゃないかな。
00 年以降の短篇は全て初読。うち3篇が、過去の世界大戦を背景に置いたもの。時代の空気の反映なんだろうな。こういう作品は背景が極限的だから、衝撃度を高めやすくて、受賞には有利かも、という気はしないでもない。確かに感銘は受けたし、極限状況下での人間性、みたいなことを考えさせられたりもした。しかし、00年と01年がどちらもその系統の作品で、別の作家が書いているのに、続篇と言ってもおかしくない部分を持っているというのは、何か意図的なものを感じる。そういう妙な引掛かりを含めて考えると、後半分ではむしろ、ローザンの気楽なコンゲーム小説や「メキシカン・ギャツビー」の華やかさの方に引かれるような気がする。

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