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感想「スプーク・カントリー」

「スプーク・カントリー」 ウィリアム・ギブスン 早川書房
久々のギブスン。そのせいか、なんだか読みにくかった。予備知識を与えずに話に入ってしまう所や、固有名詞の頻出、ややこしい言回しは相変わらず。訳者(浅倉久志)も、ちょっと振り回されてた感じ。読んでいるうちに、慣れてきたのか、すんなり読めるようにはなったけど。
内容的には、スリリングじゃないスリラーってとこか? 小説の体裁自体は、謎めいたコンテナを巡る、複数の勢力のつばぜり合いを描いたサスペンス小説という感じだが、全編を覆うまったりとした雰囲気が、全然サスペンスっぽくない。ただ、考えてみると、ギブスンの小説って、どれもそんな感じだし、自分がこの作家を好きな理由の一部は、そういう部分にあるのかも知れないという気もする。気楽に読めるスタイリッシュなサスペンス小説ってところ。あとは、隠喩とか、裏の意味があるんだろうな、という部分はあちこちにあるけれど、そういうのはどうせ分からないんで、どうでもいい。
4年前の「パターン・レコグニション」の感想を見ると、その時も似たようなことを思ったみたいだ。もっとも、本書はあちらよりもさらにプロットが適当になってるような気はする。作品中には「悪ふざけ」という形容が出てくるし、あとがきには「コメディ」とあるのは、そういうことの反映じゃないかな。コメディとでも考えないと、ちょっと苦しいというような。そういう点では、ギブスンの今までの長編の中で、一番ユルい小説かも知れない。
登場人物は、いかにもギブスン的で、やっぱり魅力的。特にチトーと、彼を巡る一族や神々?のあやしさがいい。

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