« 全国高校選手権2回戦市立浦和対滝川第二 | トップページ | トップイースト11 プレーオフ NTTコム対三菱重工相模原 »

感想「現代アートバブル」

「現代アートバブル」 吉井仁実 光文社新書
ギャラリストが現代アートの現在の状況について書いた本。しばらく前に読んだ「現代アートビジネス」と似たような内容。あちらに比べると、現代アートを戦略的に売って行くという部分への言及が小さい分、イヤミは少ないかな。でも読後の印象は似たような感じ。彼らは現代アートは特別なものじゃないと言うけれど、彼らにとっての「普通」が、普通の人にとって、既に「特別」なんじゃないか、という気持ちは消えないわけで。

ただ、これを読んでいるうちに、アートというのは絵とか彫刻とかに限らないという、頭では分かっていても、感覚的には消えなかったこだわりがなくなったような気がした。何がどう効いたのか、具体的にはよくわからないが、最終章、3-6「日本独自のストラクチャーに向けて」という部分を読んでいる時に、不意にそんな感じがした。
現代アートを見ていて、たとえば世の中に普通にあるものと見分けが付かないのに、アーティストが作ったというだけで高価で取引されることについて、なぜそれだけが特別扱いされるのかという所に、ずっと引っかかっていて、それがこだわりの一因になっていたと思う。でもそれは、アートだから高値が付いているわけじゃなく、売りたい人間と買いたい人間の個人的な需要と供給が一致したに過ぎないんだよな。どんなものでもアートと呼ぶことは可能なんだから、なんでこれがアートなんだろう、という疑問の置き方は的が外れていて、もっと踏み込んで、なぜこれがそこまで値打ちがあると考えられるのか、ということを考えるべきなんだろうと思った。今さらながら。
これからは、もう少し素直に、現代アートを見れそうな気がする。経緯はよく分からないにしても、そう思えたというだけで、この本を読んだ意味はあったみたいだ。

|

« 全国高校選手権2回戦市立浦和対滝川第二 | トップページ | トップイースト11 プレーオフ NTTコム対三菱重工相模原 »

「小説以外の本」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3787/43815114

この記事へのトラックバック一覧です: 感想「現代アートバブル」:

« 全国高校選手権2回戦市立浦和対滝川第二 | トップページ | トップイースト11 プレーオフ NTTコム対三菱重工相模原 »