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感想「皇帝の墓を暴け」

「皇帝の墓を暴け」 ウィリアム・D・モンタルバーノ&カール・ハイアセン 集英社文庫
3作あるこのコンビの共作の最後の1冊。10年くらい前に読んでいるはずだが、中身をほとんど忘れていたので、読み直してみた。中国を舞台に、恩師の中国人の謎めいた死を探ろうとした大学教授が、ゴタゴタに巻き込まれる話。
主人公が特殊部隊上がりでトラウマを抱えていたり、恩師の死には実弟の中国高官が関わっていたりという、スパイものや謀略ものの要素はあるものの、基本的には普通のサスペンス小説。プロットだけ考えると、結構陰惨な話だが、ユーモラスで軽妙な語り口やディテールが、それをあまり感じさせない。スラップスティックぽさもあり、共作なのでなんとも言えない所はあるが、これ以降、ハイアセンが単独で書いた小説に通じるものがあると思う。ただし、単独作のような極端に壊れたキャラは出て来ないので、そういう意味でも普通っぽい小説とは思える。
ストーリーの中にひとつ大きいアイディアがあるが、話をほとんど忘れていたとはいえ、再読なので?さすがにすぐ分かってしまった。まあ、しょうがねえなと思っていたが、そのネタはかなり早い段階で割って、話の軸を主人公と陰謀の中心人物との戦いに移して行ってくれたので、興醒めにはならずに済んだ。エピソードをいくつも積み上げて、なかなか尻尾をつかませない話の運び方は、かなり巧い。
中国の描写も、自分が現実に見ているわけじゃないから、どこまで本当にリアリティがあるのかは分からないものの、80年代前半ということを考えると(原著刊行1984年)、そんなに違和感はないんじゃないだろうかと思った。現実に知っている人の感想は、また違うかも知れないけどね。
総じて、普通のサスペンス小説としては、結構良い出来の作品なんじゃないかと思う。

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