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感想「マーティニと殺人と」

「マーティニと殺人と」 ヘンリイ・ケイン ハヤカワ・ポケミス
ポール・チェンバースもの。
酒と暴力とお色気が山盛りの通俗ハードボイルド。カーター・ブラウンとかに比べるとかなりヘビーで、なるほど、この辺は通俗的ではあっても、「軽」ハードボイルドではないのかな。人物の出入りが煩雑過ぎる気がするが、その割には話はすっきりしている。作家の手腕だろうか。ただ、一部の事件については、謎解きがはしょられてるきらいがなくもない。
中田耕治の翻訳が、ばりばりマンハント調で、演出過剰と思えるが、これがあの時代のスタイルだし、それで受け入れられていた面もあるのだろうから。本人も、このスタイルを自負するようなあとがきを書いている。良くも悪くも、翻訳の話を抜きにしては語れない小説になっているのは確か。本来は、悪くない出来の私立探偵もの、というくらいの小説なんじゃないかという気がするが、ちょっと実像が見えにくい(のか、演出されたこの状態が、むしろ実像に近いのか)。
この翻訳は、当時としては突出して洒落たスタイルだったんだろうと思うが(ザーキとか、今時、使わない言葉だ)、さすがに50年近く経った今(訳書刊行1962年)読むと、流行を追っている分、かえって古びてしまっている。今の言葉で訳し直せば、見え方が変わってきそうな気がする。まあ、元も古いわけだが…(原著刊行1947年?)。英語の50年前と今の違いってのは、日本語のそれに比べて、大きいんだろうか、小さいんだろうか。

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