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感想「さらばキーウエスト」

「さらばキーウエスト」 ウィリアム・D・モンタルバーノ&カール・ハイアセン 扶桑社ミステリー
ハイアセン+モンタルバーノ合作3冊の真ん中。再読だが、前回読んだ時の記録も記憶も残ってない。

フロリダのキーウエストに住むザリガニ漁師が、運び屋として地元の犯罪組織に目を付けられ、嵌められて事件に巻き込まれる話。
もっとも、組織にしても、組織と通じて街を牛耳る街の大物にしても、いかにも田舎な感じで、ぐだぐだ。主人公は、巻き込まれてヒドい目に遭うが、悲壮感はあんまり感じられなくて、あれこれ手立てを講じて、対抗していく。ある意味、双方のレベルにそんなに違いがない。
だから、読み所としては、サスペンスよりは登場人物のキャラクターかな。後年のハイアセン小説ほど、メチャクチャな人物はいないが、個性の強い人物が絡み合って、話が適当な方向に転がっていく、面白さの方向性は同じだと思う。メッセージ性やコメディ色などの独特な味わいが薄目なあたりが、いかにも「プレ」という感じではある。
主人公は娘を病気で失ったことをきっかけに人生が破綻した人物で、その辺の鬱屈した心情も読み所の一つ。また、別れた妻(彼女も破綻している)が、悪役的な位置付けで冒頭から顔を見せているが、最後の方で彼女が、一家がまだ未来に希望を持っていた頃のことを語る短い場面があり、望んでいた場所にたどりつくことが出来なかった切なさが滲んで、印象的だった。そのさりげない1シーンで、彼女の人物像に対するイメージをがらりと変えてしまうのも鮮やか。こういうあたりも、ハイアセン小説そのもの、と思うんだが、そうすると、合作者の役割はなんだったのかなという気もするんだよな。

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