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感想「この世界、そして花火」

「この世界、そして花火」 ジム・トンプスン 扶桑社ミステリー
ジム・トンプスンの中短篇集。一昨年亡くなった訳者の三川基好の追悼的な意味合いもあるらしい。
半分くらいは以前に出た「ジム・トンプスン最強読本」に掲載されたものの再録だが、内容が特異で文章にも力があるので、再読に充分耐える。
それ以外の数篇も、基本的にはHMM等に掲載されたものの再録(再録が大半なのは、訳者の体調の問題があったと思われる)だが、未読だった。このうち、短いものは、うまい着想でまとまりのいい異色短篇という趣で、長篇の破格ぶりとは、かなり印象が違う。長篇のどれかを読んだ時にも思った記憶があるが、基本的には巧い作家なんだよな、という気がする。
表題作の中篇も未読だった。HMMに掲載されたものに手を入れて収録しているらしい。この世界とは本質的に相容れない存在に生まれついた主人公が、周囲に害悪を撒き散らしつつ、自分自身も苦しみながら、生きていく姿を描いた凄惨な小説。トンプスンの小説の世界を、短い長さできっちり表現しているという印象。というか、むしろこれだけの長さがあれば、トンプスンの書きたいことを表現するには充分なのかも知れないという気がした。尺が短い分、必要以上に踏み込んだ描写はしていないが、その省略がかえって効果を上げているように思えたので。

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