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感想「愚者が出てくる、城寨が見える」

「愚者が出てくる、城寨が見える」 J・P・マンシェット 光文社文庫
タイトルはルビが付いている。「愚者(アホ)が出てくる、城寨(オシロ)が見える」。
「狼が来た、城へ逃げろ」の新訳。旧版はなにせ岡村孝一訳なので、ある種、翻訳が原著を押しのけてしまってる所もあるらしく、原著には別の味わいもあると感じた今回の訳者(中条省平)が、旧訳に敬意を払いつつ、新しく訳した、ということらしい。

残念ながら、旧訳と新訳の違いは、あんまりぴんと来なかった。ひとつひとつのシーンが映像的に鮮やかだったことと、イカレた(ハイアセンのような、戯画的でギャグっぽいイカレ方じゃなくて、本当にイカレている)登場人物たちが狂躁的に走り回る小説という印象が強かったが、今回の新訳を読んで持の感想もほぼ同じ。
旧訳は借りて読んだものということもあって、割と一過性な読み方だったし、そうでなくても、近年、そこまで深く読み込んでる本はあまりないから、そういう浅い読み方で比較してしまうと、違いが見えにくいのか、という気はしないではないが、そもそも、訳者が考えているほど、大きな違いではないのでは、とも思える。旧訳との違いを際立たせるためには、もっと極端に色を出しても良かったのかも知れない。
とはいえ、この小説そのものは、多分にゲテモノ的ではあるけれど、鮮やかな印象の残る作品だと思う。
旧訳を読んだ時の感想はこれ

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