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感想「「アラブ海賊」という神話」

「「アラブ海賊」という神話」 スルターン・ムハンマド・アル=カーシミ リブロポート
この出版社から出た本というのと、古本屋で格安だったので、手に取ってみた本。

17世紀から18世紀にかけて、イギリスがペルシャ湾の「海賊」を退治したということになっているが、それはイギリスが、その地域の貿易を一手に収めるべく、現地の有力勢力を「海賊」ということにして殲滅したのだ、という主張を述べた本。ボンベイ(今はムンバイか)に残されていた当時の東インド会社の膨大な文書を調査してまとめられたものだそう。
著者はアラブ首長国連邦の構成国のひとつ、シャルジャの首長で、当時、イギリスに殲滅された一族の末裔だそうなので、視点は偏っているかも知れないが、この時代のイギリスなら、それくらいのことは平気でやるだろうと思うし、特に意外ではない。ちなみに、イギリス側の公式の歴史としては、今はどうなってるんだろうか。著者が1988年にこの本を出すくらいだから、アラブが海賊という認識のままなのかな。

まあ、イギリスに限らず、いい気になってる国のやることなんて、そんなもんだ。迎え撃つアラブ側も決して一枚岩ではなく、そこをイギリスにつけ込まれ、という構図は、今の中東情勢とあまり違いはないようにも思える。

文献から引かれている部分がやたらと多くて、研究者ならともかく、通りすがりの素人がふらっと読むにはちょっとめんどくさい本だった。正直、がんがん飛ばした。そういう読み方でも、著者の主張は伝わって来たし、そういう読み方でなかったら、読み通せなかったとも思う(^^;。

でも、昔のBCLや近年のサッカーの国際大会で、国名は知っていても、それぞれの関係や成り立ちがいまいちよく分かってなかったペルシャ湾岸の国々のイメージが、結構はっきりしたのは収穫だった気がする。オマーンとサウジアラビアがその時代は競合する2大勢力だったこととか、バーレーンやカタールやクウェートの、首長国としての、その時代の存在感とか、そうだったのか、という感じ。それだけでも読んだ値打ちはあったな。

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