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感想「愛は血を流して横たわる」

「愛は血を流して横たわる」 エドマンド・クリスピン 国書刊行会
ジャーヴァス・フェンもの。
原題(Love Lies Bleeding)のほぼ直訳ながら、すごいタイトル(^^;。解説によると、花の名前らしい。小説自体は、タイトルから想像するような愛憎ドロドロの内容は皆無で、ラヴという人物が、血を流して横たわるだけ。むしろ、美しい田園風景の描写があって、田舎でのんびりくつろいでいるような雰囲気の小説。
とはいえ、パブリックスクールを舞台に、女生徒の失踪に始まり、次々殺人が起きる血なまぐさい話ではある。いくつもの事件が絡み合っている割には、構造は単純で必然性があり、水増し感がないところは「白鳥の歌」同様で好感が持てた。
ひとつのアリバイトリックが解明されることで、イモヅル式にいくつかの真相が見えて来るあたりは巧い構成だと思うのだけど、説明がやや冗長で、鮮やかさが伝わりにくい気がした。それも含め、結末の解決の部分は、全てフェンが口頭で説明する形になっているので、ややだらだらしている感はある。
ちなみにトリックは、それは分かんねえよ、と思う類いのものだけど、当時(1948年刊)のイギリスでは常識的な知識だったのかな。
ドタバタ喜劇的なストーリー運びが、今回も楽しかった。クリスピンはやっぱり面白い。登場犬のメリソートはいい味を出していたので、この結末は必要以上にかわいそうな気がしたが、本人?にとっては、これはこれで満足かも知れないな。

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