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感想「永久の別れのために」

「永久の別れのために」 エドマンド・クリスピン 原書房

これはフェンものじゃないのかな?、と思ったが、そういう趣向だったか。もっとも、最初から、そんな気配はあったが。

田舎の村で、差出人不明の中傷の手紙がばらまかれる事件が続き、そういう中で、手紙をきっかけにしたと思われる死者が出る話。
プロットはすっきりしていて、謎解きも納得のいくもの。もう少し込み入っているかと思ったが案外、という、ちょっと拍子抜け気味な所はあるけれど。
全体的な印象としては、「愛は血を流して横たわる」に近い気がする。田舎の村という、背景が似ていることが大きいんだろうけど、人物の配置やプロットにも似た部分がある。ただ、犯人が意図的にややこしいことを考えたというより、成行きで、一見、複雑に見えるような事件になった、という感じが強いように思われ、不自然さが薄らいでいるような気がする。事件に至る、屈折した人間の心理も、よく描けていると思う。これは作家的な成長と見るべきなのかな。でも、クリスピンはこれを最後に、しばらく長編小説を書くのをやめてしまうわけだが。

本書も、田舎の風景描写が生き生きしていて、のどかな雰囲気を楽しめた。
後期の作品だけに、持ち味のドタバタな要素は、やはりかなり薄まっていて、特にクライマックスの場面の「愛は…」との違いに、それが顕著に感じられた。起きている出来事自体は、そんなに違わないのかも知れないが、描き方がシリアスだ。

それにしても、イギリス人って、現実にも、こんなに簡単に婚約しちまうものなんだろうか?(^^; ジーヴスものでも、結構軽いし。あっちは、簡単に破談にもなるけど。

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