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感想「オー!」

「オー!」 ジョゼ・ジョバンニ ハヤカワポケミス

ジョゼ・ジョバンニの先行して読んだ2冊が、大物ギャングの半生記みたいな話で、本書も最初の方はそんな雰囲気があったので、そういう話かなと思ったが、違った。主人公は大物ギャングを目指すレーサー崩れの駆出しで、ボスの死をきっかけに憧れに向かって踏み出そうとするが、それはそう簡単なものじゃなかった。そういう話。
主人公と奇妙な友情をかわすことになる一匹狼の新聞記者や、そのまた友人の警察官など、ギャングの世界の外側の人物が、大きな比重をもって描かれているあたりも、先の2作とは違う。作中で経過する時間もずっと短い。あっちの方をヤクザ映画とすると、こっちはスタイリッシュな犯罪映画というところかな。自分としては、間違いなくこっちの方が好み。でも、あとがきを見ると、こっちの方が、ジョバンニとしては異色作の部類に属するものらしい。

タイトルの「オー」は主人公のあだ名。本人は嫌がっていて、そう呼ばせないために大物になろうとしているような所があるわけで、主人公の屈折感をよく映しているタイトルと思える。この小説のテーマそのものとも言えるのかも知れないな。

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