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感想「旅のいろ」

「旅のいろ」 北方謙三 講談社文庫
「人を毀(こわ)していく衝動、命を削られゆく快楽」という帯が付いていたので、また「擬態」や「煤煙」みたいに暴力的で出口のない暗い小説かと思ったが、違った。近づいて来る男みんなを、意図せず破綻に追いやる魔性の女の話。この女性が、近づいて来る男が持っている願望を、自身の力で実現させてやることによって、かえって男を内側から毀していくんだな。
もっとも主人公は、その女に次第に引き付けられていく弁護士の風間。設定は「擬態」「煤煙」の主人公にかなり似ていて、有能だが、人生に倦んでいて、特に願望も持っていないと見える人物。そういうタイプの男が好敵手に出会うという趣向の話なのかも知れない。
裏表紙には「性の深淵を描ききる」とあり、そういう要素もある小説ではあるが、肝心のそういう場面は、繰返しが多いし、深い所は書いてないように思えるし、この形容はちょっと違うんじゃないか?という感じ。あまり北方が得意とする題材とも思えないし。意欲的な挑戦という意味合いはあったのかも知れないが。
そうはいっても、いつものネタだなと思う部分は結構あったし、相変わらずうまく書けているし、北方小説としてはちょっと毛色が変わった感じの所も含めて、面白く読めた。

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