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感想「1998 ホームランの夏」

「1998 ホームランの夏」 マイク・ルピカ ベースボール・マガジン社

著者のマイク・ルピカは以前「スキャンダラス・レディ」という小説を読んだことのある人のはず。ニューヨーク舞台の都会的なサスペンスで気に入っていた。本来はスポーツライターで、あれは余技ということらしい。
本書はマグワイアとソーサがホームランを打ちまくったり、いろいろメモリアルなことのあった98年の大リーグの熱狂を、自身や息子たちといった、主に個人的な立場から回想したもの。日々起きる出来事への興奮が伝わってきて、とても共感出来る内容。
大リーグにはほとんど関心がないが、アメリカでのベースボールに対する愛情について書かれたこういう本は好きだし、よく読んでいる。こういうのを読むと日本の野球は、プレーのレベルは実際はそんなに大差ないんじゃないかと思うが、社会の一部である文化としてはだいぶ見劣りするよなと思う。アメリカのこれは、ほとんど宗教だ。まあ、生で実態を知ってるわけじゃないから、現実は分らないけれど。文章でなら、日本でもこういうのを書くのは可能なはずだし、現にある程度は存在しているとは思う。その上で、現実にはそんなものではないと知っているわけなので、アメリカでも実際の所はどうなのかな、という気はしないでもない。でも、本当にこうだったらいいな、とは思っている。

しかし、本当にこうなんだとしたら、これだけの賛辞を浴びたマグワイアに薬物問題でスキャンダルが起きた時の衝撃は、アメリカのベースボールファンにとってどれほどのものだったかは、想像もつかない。さらにマグワイアの記録自体、すぐにバリー・ボンズに破られ、そのボンズにも薬物問題ということになったわけで、一体どういう気持ちでアメリカ人の愛好家はベースボールを見ていたんだか、とも思う。こういう純粋なベースボールへの愛情表現をしにくい状態になっていたりするんだろうか。

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