感想「サム・ホーソーンの事件簿VI」
「サム・ホーソーンの事件簿VI」 エドワード・D・ホック 創元推理文庫
最後のサム・ホーソーン。
割と基本形に立ち返ったような密室物が多かった気がする。解決を読むと、ああそうか、というような。でも、それをカバーするミスディレクションに磨きがかかっていて、簡単にはそこに気付かせない。それから、ホックの以前の短篇だとこういう感じの挿入は手がかりだったというのが、実はなんでもなかったという所が何篇かにあって、これもパターンを逆手に取ったミスディレクションかな、と思ったが、考え過ぎかな?
それにしても、各篇とも、よく出来ている。これだけの数を書きながら、レベルを保ち続けたのは、偉業だと思う。
一番よく出来てると思ったのは、「自殺者が好む別荘」かな。
本書の時代は第二次世界大戦下で、戦争に絡めて、様々な動機やプロットを設定している。そういう材料には不自由しない時代背景なんだなと思ったが、戦後になればなったで、またいろいろなアイディアがあったはずで、そういうものが書かれる前に、ホックが亡くなってしまったのはつくづく惜しい。
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