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感想「木曜日だった男」

「木曜日だった男」 G・K・チェスタトン 光文社古典新訳文庫
創元推理文庫の解説目録で「木曜日の男」のタイトルで馴染んでいた本だが、原題を正確に訳すとこういうタイトルになるとは知らなかった。日本語タイトルとしてはややぎこちなさを感じるが、解説で言われているような原題の稚気を伝えるためには、この訳題は正解という気がする。

日曜日から土曜日までの七曜の暗号名を持った7人の指導者に率いられる無政府主義者の秘密組織を倒すため、「木曜日」となって潜入した主人公の刑事?の冒険を描いたもの。チェスタトンらしい(よく考えてみると実質的にはブラウン神父ものしか読んでいない人間が、こういう言い方をするのがいいことだとは思えないが…)逆説的な言回しやひねったユーモアがふんだんに盛り込まれていて、読んでいて楽しめたが、話の展開はかなり早い段階で想像がつき、ただし結末だけはどうなるのか見当が付かなかったから、どうなるんだろうな、と思っていたら、わけのわからない終り方で肩透かしに遭ったような釈然としない後味になってしまった。この結末はどういう風に理解するのが正しいのか、全然分からない。それとも、聖書の知識とかがあれば、見当が付いたりするんだろうか?
20世紀初頭のクラシックな小説だから、今時の小説と流儀も違うので、分からないのは分からないで割り切るしかないのかも知れないが。少なくとも分かる範囲では面白い小説ではあったと思う。

チェスタトンが物書きとして脚光を浴びたのは、ボーア戦争反対の論陣を張ったところから、というのが解説に書いてあって、直前にボーア戦争の本を読んでいたから、ちょっと奇遇な感じがした。

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