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感想「ハローサマー、グッドバイ」

「ハローサマー、グッドバイ」 マイクル・コーニー 河出文庫
サンリオ文庫版では読み逃していたやつ。河出がよく出してくれたと思う。しかも新訳。
地球に似た異世界を舞台にした青春恋愛小説(裏表紙にそう書いてある)。単に舞台装置がエキゾティックなだけの小説か?と思って読んでいたが、終盤に来て、にわかにSF色が濃くなり(いや、最初からSF色は濃厚なんだが、ストーリーの主筋が、あまりにもきっちり、「青春恋愛小説」しているので、単なる小道具・大道具にしか見えて来ない)、エンディングに雪崩れ込んで行く。エンディングは圧巻だし、彩りにしか見えていなかったSF色にも、ちゃんと必然性があったことが分かって安心した。これはかなりの傑作だと思う。ただ、それは最後まで読まないと分からない。途中でやめなくて良かった(そこまでつまらなかったわけじゃないが、いかにも青春小説らしい語り手になる主人公の自意識過剰ぶりが、ちょっとうっとうしかったりはしていたし、そういう小説は基本的に苦手なので)。

「ブロントメク!」を思わせる所が結構あった気がする(読んだのは大昔に一度きりなので、たいがい忘れているが)。特に青春恋愛小説としての完成度、終盤へ来ての転調というあたり。
もうちょっと「大人」に対して妥協的な結末になるかと思っていたが、案外厳しかったと思った。時代(原著1975年刊行)の雰囲気の反映かな。

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