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感想「古代国語の音韻に就いて」

「古代国語の音韻に就いて」 橋本進吉 岩波文庫
戦前の学者の講演録と論文をまとめた本。古代の日本語の発音について、万葉仮名の使われ方を調査することで推定した結果を報告するもの。奈良時代頃までは母音が今の5つではなく、もっとたくさんあったとか、時代が遡ると、さらに多かったらしいとか(「エ」が「エ」と「イエ」の2音に分かれていたとか)、そんなような話。
この辺の話は、あちこちで何度か読んでいるが、どうやらこの研究がそもそも元になっているみたいだ。この研究自体、江戸時代に先行した研究があったが(本居宣長あたりも絡んでいたとか)、ほとんど忘れ去られていたのを、この学者が再検証して、再度世の中に出してきたものらしい。
自分にとっては単純に、そうだったんだ〜、という以上のものではないけど、今では聞くことが出来ない古代の発音を、どうやって実証的に調べていくのかというプロセスは興味深いし(古代の文献を虱潰しに調べていくのは、コンピューターとかの使えない時代には大変な作業だったと思われる。まあ、使えても充分大変そうだが)、このことが分かったことで、そういう部分が合っているかどうかで、古代の文書の真偽の判定が出来るようになったというのも、なるほどという感じ。

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