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感想「言語の思想 国家と民族のことば」

「言語の思想 国家と民族のことば」 田中克彦 岩波現代文庫
言語と民族・国家の関係について論じたもの。この人が最初に出した本らしい(1975年の刊行)。この人の本は、網羅的ではないながら何冊か読んでいるので、言語学という大枠の中でいくつかテーマを持っていることを知っているし、それらが一通り、本書の中に表れている感じ。岡山大学の教師に就任した時の記念講義の代りのようなつもりで書いたということだから、自分が持っているすべてを披露するという感覚だったのかもしれない。面白く読めたが、多分、その辺の関係で、扱っている範囲がかなり広がっていて、ポイントを絞るのが難しい。この人のテーマを概観すのにちょうどいい本とは言えるのかも知れない。
それでも、強引に要約すると、言語というのは、多分に国家や民族によって、政治的に作られるもので、自然に存在しているものではないということと、そのことに対する意識が乏しい論説が多いことへの批判というところか。この人の本を、かなり早い時期に読んだことで、自分自身は、そういうことに対する物の考え方に、かなり影響を受けていると思う。

実を言えば、本書を読んで、一番感銘?を受けたのは、解説で斉藤美奈子という人が著者について、「非専門家筋にこれほど「隠れファン」が多い言語学者はあまりいない」「高校生のころに『ことばと国家』『言語学とは何か』などを読んでしまったために、大学では言語学を専攻してしまった人もいるにちがいない」ということを書いている部分。自分がその辺を読んだのは高校生よりも後だったと思うし、大学で専攻もしなかったし、「ファン」とまで言えるかどうかも微妙だけど、割とそれに近いのは確かで、そういう人間が多いのか、そうだったのか!、という感じだった(^^;。

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