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感想「ガツン!」

「ガツン!」 ニック・ホーンビイ 福音館書店
ホーンビィの小説の久々の(だと思う)邦訳(原著刊行2007年、邦訳は2009年)。でも、普通の?小説ではなく、15-6歳の少年を主人公にしたYA小説。主人公が、ガールフレンドをうっかり妊娠させちまって大騒ぎという話。
少年の世界が舞台なだけに、いろいろなことが、かなり単純化してはいると思うが、主人公の在り方は、今までに読んだ小説とほぼ同じような気がする。ドジなところ、ぶざまな慌てっぷり、卑怯になろうとするがなりきれない中途半端なところ、そのせいで、全てが理想的に運びそうになっても、結局、うまく行かなくなってしまうが、かといって、壊滅的にダメになってしまうわけでもなく、中途半端な所で(そこがリアルではあるが)人生が続いていくところ。
というより、ホーンビィのいつもの小説の主人公が、30代であるにもかかわらず、メンタル的に10代の少年と、あんまり変わらないということなのかもしれない。
ホーンビィのいつもの小説を愉しめる読者なら、YA小説ということは関係なく、これも充分愉しめると思う。

それにしても、帯に「本書にさらりと登場する人物名」というのが書いてあって、ジャスティン・ティンバーレイクとか、キャメロン・ディアスとか、コールドプレイとか列挙されているんだが、別に彼ら自身が登場するわけじゃない。現代のイギリスの少年の世界を描いていると、自然とそういう名前が出て来る、というだけのことだ。そもそも、今までの小説でも、ホーンビィはそういう書き方をしていたし。ほとんど無意味な惹き句だと思う。何を狙ったんだろうか。

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「小説」カテゴリの記事

コメント

お読みくださり、本当にどうもありがとうございます。
担当編輯のものです。
帯の文言の件ですが、たしかに、これまでニック・ホーンビィの本を読んでこられたかたには、とくにいままでと書きかたが変っているわけではないのに、書かずもがなの惹句だ、と感じられるかもしれませんね。
小社は、児童書の専門出版社であり、あの『ガツン!』は、一応、なんの予備知識もなくホーンビィの著作をはじめて手にとる十代の若者を読者対象にして、発刊しています。いわゆる日本で流通しているYAといわれるジャンルの作品で、これほどミュージシャン名を中心とした固有名詞が頻出する作品はあまり多くないと思われ、そこに興味を覚えてくれる読者もいるのではないかと考えて、あえてああしたことを記させていただきました(また、従来のホーンビィの読者を相手にしただけでは、これまでの彼の本がほとんど品切になっている現状を鑑みても、拡がりを期待できないようにも思われ、やはり〝ホーンビィははじめて〟という読者に向けるとの姿勢は大切だったのです)。
まあ、大人向けの作品と比べて、この本で名の挙がる人たちは、ティーン向けにメジャーどころが多いですし、その意味で、渋好みのセンスに訴える惹きになっていないということはあるでしょうし、いま思えば、あの固有名の列挙は、多少物欲しそうな感じになってしまったと反省しないではありません。もっと訴求力のある押出しにできただろうなと、力不足を感じたりしております。
小社はおおまかにいって絵本が主力の出版社で、小学生くらいの低年齢向けならまだしも、中高生向け(『ガツン!』は、低くとも15歳以上向きだといえるでしょう)のものを出すのに、販売のノウハウが足りなかったり、社内の理解や協力を得られにくい部分があったりもするのですが、そうした逆風に対して、身構えてしまったところもありました(だから、惹句が物欲しそうになってしまったかも……、と)。
それでも、あの本は、軽さを装いながら、親と子双方の立場の、人生のほろ苦い実相まで読者に感じさせてくれるとてもいい本だと感じましたので、出させていただいたしだいです。
お読みいただいたこと、ほんとうに感謝いたしております。長々と失礼いたしました。

投稿: 力 | 2011.02.18 14:22

編集の方のコメントをいただくとは思いもしませんでした。恐縮です。

この帯を見て、中身を読んで、(間違いではないにせよ)帯が中身に見合っていると考える読者が、どれだけ居るんだろうかということを考えて、あのような文章を書かせていただいたわけで、確かに「物欲しそう」な雰囲気も感じたのですが、今まで縁のなかった読者層に、とにかく本を手に取って貰うという手段としては、これも有りなのかも知れませんね。結局、帯はともかく、中身は良かったと感じて貰えれば良いわけですし。

近年は他の出版社さんも含めて、馴染みのある海外作家が若年層向けに書いた本がよく出版されていますし、楽しんで読めるものが多いので、喜んでいます。これからもよろしくお願い致します。

投稿: wrightsville | 2011.02.21 22:01

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