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感想「私のマルクス」

「私のマルクス」 佐藤優 文春文庫
佐藤マサルといえば、最初に思い浮かぶのはスワローズのピンクのサウスポーで、こっちの人については、特に関心がなかったんだが、近頃、文章を東京新聞でよく目にするので、どんな人物なのか、興味が出て来た。本屋でこの本を見て、そういう需要に応えてくれそうな感じだったので、読んでみた。大学院を卒業するまでを書いた回想録というか自叙伝というか、そういう本。

著者が、マルクスとキリスト教を切り口にして、この世界について考え、思想を形成していった過程が綴られている。
高校時代からよく勉強してるな、さすがに昔の学生は違うな、と一瞬思ったんだが、向こうの方が上なのは確かだが(1960年生まれだそうで)、実はそんなに歳は違わない(^^;。高校は浦和高校だそうだから、やっぱりそういうエリート予備軍が行くような高校の人間は違うってことなのか、それとも個人の資質の関係なのか。その後、同志社大の神学部に進んで、大学では新左翼と深い関わりを持って、という相当異色な経歴を見ると、多分に後者のような気はする。それにしても、大学に行ってからもよく勉強している。彼を取り巻く周囲の人たちもそうだ。考えてみると、あの頃は、平均的には、一般の学生よりも、新左翼で運動してるような学生の方が、実は勉強家だったのかもしらん。
自分自身は、怠惰な大学生だったし、理系だったこともあって、当時はこんなふうなことはあんまり頭になかった。就職して、いくらか世の中が見えてきてから、ようやくいろいろ考え始めた(考えずにいられなくなった)けれども、その辺のことを、この人は高校・大学の時点で、既に考えていたんだな。高校時代、倫社とか政経とか、全然興味が持てなかったが、あの頃、そういうものをちゃんと勉強しようという気になっていたら、自分のその後も全然違っていたかも知れない。とはいえ、いくらなんでも、ここまで特異な生き方をしたとは思えないが。やっぱりこの人は、かなり特別な人だろう。
もっとも、自叙伝なので、全てが事実通りに書かれているとは限らないと思うけどね。仕事として、情報操作とかやってた人なんだから、なおさらだ。

そうはいっても、いまさら、いろんなことを考えるのに対して、示唆を与えてくれる本だったな、という気はする。というか、本当にいろいろなことをちゃんと考えたいんなら、そもそも基礎になる部分を、もっと勉強しなきゃダメだなということは思った。

ちなみに、本筋とあまり関係ないが、ピーサレフについて書かれた箇所(P242付近)で、ロシア的なエゴイズムというのが印象に残った。この感覚はよく分かる。

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