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感想「消えた玩具屋」

「消えた玩具屋」 エドマンド・クリスピン ハヤカワミステリ文庫
再読だが、前回いつ読んだのか、全然覚えていない。いまひとつぱっとしない印象を受けたこと以外、内容も覚えていない。

ジャーヴァス・フェンの友人の詩人が、オックスフォードで深夜に玩具店に紛れ込み、そこで女性の死体を発見するが、翌朝になってみると、そこには玩具店はなく、死体も見つからないという話。かなり魅力的な導入部ではあるけれど、その解明は結構凡庸だし、そもそもそんなことが物理的にそんな短時間で出来るのか?、という疑問も感じないではない。さらにもう一段階、不可能な状況の殺人の犯人を突き止める、という局面もあるのだけれど、こちらも似たような腰砕けな感じは否めない。ジュリアン・シモンズが本書をクリスピンのベストに上げているそうだが、少なくとも事件の謎とその解明という観点からは、その評価はないだろうと思う。
フェンを始めとするキャラクターは生き生きしているし(特にホスキンズ君が面白いな)、スラップスティックな展開や、イギリスの教養人らしく趣味に走った細部とか、面白さを感じたポイントはたくさんあるんだが、小説のまとまりという部分で、どうかなという感じ。
最後の大掛かりな犯人追跡劇が華々し過ぎて(ここもスラップスティック調)、そこまでの小説の印象を弱めている気もする。

詩人が深夜のオックスフォードにやって来る場面に始まり、作品中で、フェンや仲間たちが、オックスフォード中を駆け巡る。この小説のもうひとつテーマは、オックスフォードの街と、そこに暮らす人々を描くことにあるんじゃないのかな、という気がしたんだが、これはまあ、クリスピンの、オックスフォードを舞台にした他の小説と、きっちり読み比べた上でないと、断言出来ることではないか。

結局、今回も、今ひとつぱっとしないという印象になってしまったと思う。前回もそうだったのかもしれない。

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