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感想「ナイチンゲールは夜に歌う」

「ナイチンゲールは夜に歌う」 ジョン・クロウリー 早川書房
図書館で棚を見ていて、「浅倉久志・訳」というのが目に入って、作家や内容に関する事前知識は全然なかったが、借りてみることにした本。原著は1989年刊で、邦訳は1996年。
「エンジン・サマー」の作家と言われると、ああそういう本あるね、とは思うが、中身を全く知らないので、あまり意味はなかったりする。

4篇の中短篇が収められた作品集。統一感のある内容で、初めからの3篇は、アダムとイヴの楽園追放の話の改訂版(これが表題作)、理想的な未来を作ろうとして過去をいじり続けた結果、未来をぐちゃぐちゃにしてしまう話、理想的な世界に暮らしながら、飽き足りないものを感じてはみ出してしまう話と、安定した楽園・理想郷には、結局、人間は適応(安住)出来ないという所で、テーマが揃っているように見える。最後の作品は、「新奇なもの」と「堅実なもの」の狭間で人間が感じるものというテーマで小説を書こうとしている作家の話で、あとがきで訳者も書いているように、それは先行する3篇の内容と響き合っている感じ。よく出来た構成の作品集だと思う。
内容に関しては、2番目の「時の偉業」が一番手が込んでいて、面白かったかな。ただ、全体として、美しい雰囲気はいいが、説明省略気味とは感じた。SFとファンタジーの間で書いているような作風が、あまり自分には合わなかった気がする。「時の偉業」も世界幻想文学大賞で賞を取った中篇だそうだし、そういう方向性で評価すべき作風なんだろうな。
(2011.3.12)

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