« 感想「今日も上天気」 | トップページ | 感想「虐殺器官」 »

感想「お楽しみの埋葬」

「お楽しみの埋葬」 エドマンド・クリスピン ハヤカワミステリ文庫
ジャーヴァス・フェンもの。これでここ2年くらいで、一通り、クリスピンの邦訳長篇を読んだことになる。
もちろん本書は再読。というか、最初に読んだクリスピンはこれ。これの印象が良かったので、他にほとんど読んでいないのに、クリスピンは面白い作家というイメージが出来ていた。最初に読んだのが「消えた玩具屋」や「金蠅」だったら、どうだったか。

再読して、やっぱり面白かった。ミステリとしてのプロットは割と小粒な気はするが、きっちり組み立てられているように思える。フェアに書きすぎて?犯人の見当が容易についてしまうのが難点かな。ただ、ミステリ以外の所がやたらと面白い。フェンが議員に立候補するという設定が面白いし、選挙運動がいちいち笑わせる。その他にも、改築中の宿屋とか、妖精の出る牧師館とか、ネタは豊富で、ここまで積極的に笑いを取りに行ってるクリスピンの長篇は、他にないんじゃないだろうか。そういう意味では、これは突出した作品? これでクリスピンは面白いと思った自分はだまされたのか? でも他の長篇も、笑いはともかく、登場人物の造型やミステリとしての趣向で、面白く読めて満足できたんだからいい。

この次に読んだ「お呼びだ、ジーヴス」に上流階級の財政難の話が出て来て、本書のサンフォード卿の使用人を雇うことについてのジレンマのエピソードを思い出した。本書の頃は、まだそういう流れは始まっていなかったのかな(ちなみに原著1948年刊)。
(2011.3.19)

|

« 感想「今日も上天気」 | トップページ | 感想「虐殺器官」 »

「小説」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3787/51470259

この記事へのトラックバック一覧です: 感想「お楽しみの埋葬」:

« 感想「今日も上天気」 | トップページ | 感想「虐殺器官」 »