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感想「IF DEATH EVER SLEPT」

「IF DEATH EVER SLEPT」 レックス・スタウト Bantam Crime Line Book
ネロ・ウルフもの。1957年刊行の20冊目の長篇。

ウルフとアーチーの間がギスギスしてる所に、息子の嫁が自分の事業を妨害している、証拠を掴んで、嫁を追い出す手伝いをして欲しい、という依頼者がやって来る。日頃ならウルフが受けないような仕事だが、アーチーと喧嘩していた勢いで受けてしまい、アーチーは「アラン・グリーン」という偽名を使って、依頼者の家に、解雇されていなくなったばかりの住込みの秘書の代りとして、出向くことになる。入り込んでみて、アーチーは、その女性に好感を持つのだけど、怪しい節もないわけではなく、しかも、その矢先に、依頼者の拳銃が盗まれ、続いて、アーチーの前任の秘書が射殺されるという事件が起き、事件に巻き込まれたくない依頼者が慌て始めるという話。

勢いで依頼を受けたはいいが、殺人事件の発生で面倒な立場に追い込まれたウルフが、うまく立ち回ろうといろいろ画策したり、あげくの果ては引きこもりになってみたり(それをアーチーが尻を叩いたりするわけだが)、その辺のドタバタが面白い。
アーチーが偽名を使って別人格で動いてみたり、アーチーが居ないウルフ宅では、オリー・キャザーがアーチーを名乗って駐在していたり、そういう面白さもある。
ミステリのプロット的には、最終的に、配下の私立探偵を総動員して(ドル・ボナーとサリー・コルトも出て来る)、虱潰しに探した結果、解決の決め手を発見する、というようなものなので、構成はかなり緩めではある。推理的な部分も、それなりになるほどとは思うが、実際は推測の域を出ていないと思う。まあ、そんなもんだけどね、この辺の時期のウルフ物はいつも。
最後は説明不足の気味があるんじゃないかな、という気もする。シリーズ作品の中では、ちょっと落ちる部類じゃないかな。

事務所の中で爆発があって、ウルフが危機一髪で逃れた過去の話が出てくるが、それは読んだ記憶がある。どの本での話だったかな。

で、これでウルフ物の長篇(33冊)は、一通り、全部読んだことになる。内容を全部覚えてるかというと、全然そんなことはないし、英語でしか読んでないのも10冊以上あって、これらもどこまで内容がちゃんと分かってるか、怪しかったりもするけど、とにかく読んだことは間違いない。とうとうこの日が来たか、という感じで、感慨深い(^^;。
(2011.6.11)

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