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感想「日本人のためのアフリカ入門」

「日本人のためのアフリカ入門」 白戸圭一 ちくま新書
著者は大学時代からアフリカに関心を持ち、南アフリカ駐在歴も持つ新聞記者で、日本で流布しているアフリカ観の歪みを正したいという意図の本。善意にしろ悪意にしろ、アフリカを下に見がちな日本のスタンスに対して、それは違うと言っている。また、そういう日本人の意識を醸成しているメディアの問題についても言及している。(ちなみに、この本の「アフリカ」は、基本的にはマグレブ諸国等を除く、サハラ以南を指している)

簡単に言ってしまえば、アフリカの人々も、日本人同様、自分たちの国や文化に愛着を持っているし、国がうまく行っていないとしても、それは彼らの人間としてのレベルが低いことを意味しているわけではないということだと思う。善意から保護者(のような)意識で対することがあるが、それも誤りで、対等な立場で付合っていくべき相手なのだというようなことも言っている。

意図はよく分かるし、納得のいく内容。絶対的に距離が遠いし、歴史的に関係が深いわけでもない地域について、一般人レベルで誤解が生じるのは、仕方ない面もあるんじゃないかと、日頃から思ってはいるが、是正出来ることは是正していくべきだろう。付合う理由がないというんならともかく、日本は世界で大きい顔をしたいわけだし、そうである以上、それは必須だろうと思う。相手を正しく認識せず、敬意を持ってもいないのに、まともに相手をしてもらうことなんて出来ないよな。
しかも、今では、資源問題の流れで、強い利害関係も発生しつつあるようだし。中国に大きく先を越されているようだけど。

もっとも、日本が相手を見下しがちなのは、アフリカに限らないような気もするけど。この本で引かれている例を言えば、日本は年間10万人あたり 25人以上も自殺者を出すような(2009年の統計。世界ワースト5位だそうだ)、いびつさを抱えていたりもするわけで、いい面も確かにいろいろあるとは思ってるが、そんなに偉そうなことばかり言える国とは思えないんだよな。アフリカに限らない、外国に対する日本人の妙な優越意識を改めていくことは、必要なんじゃないかと思う。今回の震災でもそうだけど、何かというと、日本は特別な国、と言いたがるのは、止めた方がいいと思う。

この本の内容自体は、やや食い足りない感は否めない。新書なので分量が少ないという面もあるけれど、ややこしい話をするには紙幅が足りないということで、題材を絞った結果、中身が薄くなってるきらいはあるような気がする。これをとっかかりに、参考文献を読んでもらえれば、という所なのかも知れない。
(2011.4.23)

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