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感想「硝子の暗殺者」

「硝子の暗殺者」 ジョー・ゴアズ 扶桑社ミステリー
ゴアズが今年の初めに亡くなったので、追悼出版のような形になっている。
ゴアズの邦訳長篇は全部読んでるはず。新潮文庫から出たDKAものの短篇集は、確か読み逃してるが。
解説で訳者がゴアズの長篇を傾向別に分けているんだけど、個人的には、「犯罪および冒険小説のジャンル」と括られている中の、本書のようなマンハントものに、 いい出来の作品が多かったと思っている。ゴアズの持ち味だった(と思っている)洗練され過ぎない、荒々しさの残る雰囲気が一番似合っているのが、そういう小説だったという感じ。

本書は大統領暗殺を予告した元スナイパーを、主人公の元工作員が追跡する話。武骨な主人公が、味方のはずのFBIにも色々邪魔され、ボロボロになりながら、執念で事件の真相を追いかけるところに、この作家らしい雰囲気がよく出てると思う。
プロットも細かく組まれている。そういう所も、この人の持ち味だったんじゃないかな。張ってあった伏線を、話の流れに重ねて、自然に回収していく手際は、初期のDKAものとかに比べると、随分うまくなってる気がする。
ちょっと、おとぎ話っぽい、現実味が薄いかな、と思う所はあるが、それはそれで愉しく読めた。緩急の付け方も巧かった。

少し物足りない感じのする作品が多かったような印象は持っているけれど、こうして本書を読むと、やっぱりいい作家だったんだなと思う。残念。

そうそう、ベンジャミン・シュッツという名前が本書中に出て来る。どこにもそれに関わる記載が見当たらなかったが、偶然じゃないと思う。そういうお遊びも好きな作家だったっけな。
(2011.10.20)

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