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感想「背後の足音」

「背後の足音」 ヘニング・マンケル 創元推理文庫
クルト・ヴァランダーもの。

ヴァランダーのキャラに、なんとなく懐かしさを覚えた。ここんとこのシリーズ作品のヴァランダーは、人間臭さを感じさせる不安定さはあっても、普通の有能な刑事という雰囲気だったが、この作品は初期作のようなドジでマヌケぶりを炸裂。財布は忘れる、携帯電話は忘れる、車のライトは消し忘れる、などなど。さらには、もっと深刻な失敗もいろいろと…。ではあっても、一応有能な刑事であるわけで、その辺のアンバランスさが、本書の解説で小山正も書いている初期作のとっつきにくさでもあったと思う。もっとも、そういう変なキャラだと思ってしまえば、それはそれで味わいがあるんだが。ある意味、そう感じたから、このシリーズを読み続けてるわけで。

ただ、本書については、それとは別に、書きっ放し気味と思った点が結構あって、気になった。猟奇的な事件で幕を開け、かなり不気味な犯人像が浮かんでくるものの、そういう犯人だから、よくわからないんだ的な処理で済まされている部分が多い気がする。スウェーデン社会の変質というテーマが、犯人像に絡んでいるものの、うまく繋ぎきれないまま終わってしまった感じ。
スヴェードベリの裏の顔の描かれ方も、いまいち中途半端だったな。
やや物足りない印象が残った。
(2011.10.28)

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