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感想「まほろ駅前多田便利軒」

「まほろ駅前多田便利軒」 三浦しをん 文春文庫
「MELODY」の漫画版を読んでるうちに興味が出て来て、オリジナルを読んでみる気を起こしたもの。ただ、漫画連載の区切りが付くまでと思って、途中まで読んで放ってあったが、「MELODY」では、ここんとこずっと休載してやがるもんで、業を煮やして読んでしまった。

漫画版から入ったことが、小説の印象にかなり影響しているのは間違いなくて、多田も行天も、漫画の顔以外、脳裏に浮かばない(^^;)。
そういうキャラ的な所以外も、間合いの取り方を漫画っぽく感じたりとか、作家の持ち味なのか、漫画の意識で自分が読んでるから、そう思えるだけなのか、よくわからなくなってる部分がある。
ただ、露骨でない、サラッとした書き方をしつつ、雰囲気から奥に潜む大きなものを感じさせるのが巧い、とは思った。そこは間違いなく作家の力だろう。少し外れた人物像(特に行天やルルはいいキャラだ)とか、タイミングや焦点のずれた会話のおかしさも、作家のものだな。
割と好きな作風かなと思うけれども、解説を見ると、結構色んな方向性で物を書いてる人ぽいので(特に読んでないので、あんまり意識してはいなかったが、そういうイメージは元々あった)、そう言い切ってしまっていいのかどうかはよく分からない。

それにしても「16号は六本木につながっている」というくだりが、かなりひっかかるんだが、直木賞を取った本の文庫版で、(まほろ=町田とすれば)ここまではっきりした間違いが放置されているとは考えにくい。ということは、ここは、まほろ≠町田という、作家のメッセージ? そういうややこしいことを考える人だとすると、やっぱり一筋縄では行かない作家かもしれないな。
(2011.11.26)

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