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感想「鎮魂歌は歌わない」

「鎮魂歌は歌わない」 ロノ・ウェイウェイオール 文春文庫
今年翻訳が出たシリーズ2作目の書評を見て、面白いのか?と思って、1作目を読んでみた。娘を殺されたヤクザな父親(シリーズキャラクターらしい)が、復讐に乗り出す話。犯人は簡単に人を殺す殺人狂。どっちもどっちで、盛大に血が流れる。
解説を読むと、90年代半ばくらいから目立つようになった、血なまぐさいハードボイルド小説の流れという位置付けになるらしい。そういう小説に相性が悪くて、俺はハードボイルド(というか、当時はノワールとか呼ばれてなかったっけか)と言われる小説の新作を読まなくなったわけで…。そういう意味で、ありていに言ってちょっと違ったかなと思う。
ただ、そういう小説の方向性を別にしても、主人公の立ち位置がすごく中途半端。ろくでもない男だが、心の奥底は真っ当という、いかにも言い訳がましい、ぬるいキャラクターなのがイカさない。著者が好きだという悪党パーカーは、パーカーが本当に悪党(というか、プロに徹した犯罪者)であることに良さがあるんだが、その辺が分かってないのかなあという感じ。まあ、パーカーも、後になると、だいぶ人情物ぽくなってはいたが。
殺人狂も、なぜか中途半端な所で、人を殺さず、人間らしさを見せちゃったりする。
そういう所があちこちにあり、殺伐としている割に、全体的に生煮えな感じのする小説だった。これでは2作目は読まないな。
(2011.11.18)

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