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感想「バルカンの火薬庫」

「バルカンの火薬庫」 アルセーヌ・ルパン 新潮文庫
ボワロー=ナルスジャックによる贋作ルパン第2作。
今回も、ルパンに対して持っているイメージそのままの、クラシックで優雅で華やかなオハナシ。楽しく読めた。原典をほとんど読んでいないから、そのイメージが正しいのどうかも、実際は定かではないんだが、この小説は確かにイメージ通り。
少し前に、パロディ(贋作とかパスティーシュとかも含めてだと思う)は批評の一形態、みたいな話を知人としたが、書き手がオリジナルに愛情を持っていて、書き手が考えているオリジナルの長所だけを取り上げて小説を書いたとしたら、それがオリジナル小説を純化したものになっている可能性もあるのかもしれない。このシリーズは、そんなことも考えさせる。なんせ、書いているのが、一流のミステリ作家だから、小説としての質は保証されているわけで。
「ウネルヴィル」に比べると、著者がよりのびのびと書いているような印象を受けた。2作目になって、すっかり要領をつかんだ、という所かな。「アルセーヌ・ルパンの第二の顔」も入手しているので、楽しみ。
それにしても、新潮文庫版は1975年の刊行。そんな昔だったんだっけ。いかにも昔の本という感じだものな。最初の数ページに、「つんぼ」「黒ん坊」「気狂い」とあったのを見て、しみじみそう思った。
(2011.11.9)

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