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感想「イスタンブールの群狼」

「イスタンブールの群狼」 ジェイソン・グッドウィン ハヤカワミステリ文庫
割と気紛れで手に入れて読み始めたが、面白かった。
19世紀、オスマントルコの末期のイスタンブールを舞台にした小説。トルコ軍を巻き込んだ猟奇的な連続殺人が発生し、フリーランス(^^;)のトラブルシューターのような立場の主人公が、軍の司令官の依頼で真相究明に乗り出す。
著者はこの時代のトルコを専門にする著述家で、娯楽小説は初めてだったらしい。多分自分自身の楽しみという気持ちもあって、この本を書いたんだろうなあ。本書の主役はイスタンブールの街だと、訳者が解説してるが、本当に細かく丁寧に街が描かれているし、街の人たちの暮らしも生き生きと描かれていて、そういう所を読んでいるだけで楽しい。
というか、犯罪小説的な要素は、話を進めるための道具みたいな感じ。あんまり丁寧に組み立てられたプロットではないと思う。一応、ひねった展開も組み込まれてはいるが、真相が分かっても、ああそうなんだ、くらいで…。十分面白い小説なんで、別に気にならなかったが。

主人公が宦官で、それにまつわる話があちこちに出て来るのは、ちょいとザワザワした(^^;)。

ちなみにMWA長篇賞を取ったんだそうだ。結構当たり外れはある賞だけど、これは納得。純粋に犯罪小説としての出来はそこまでのものかな、という気はしないでもないが、この賞の選び方は、元々、必ずしもそういう所を重視している感じではないし。

訳文(訳者は和爾桃子)は流麗で読みやすかったが、筆が走りすぎて、意味が取れなくなってる箇所が、いくつかあった。

学校で世界史の勉強してた頃に、この本を読んでたら、トルコ史が頭に入りやすかっただろうなあ、と思ったよ。

刊行は原著が2006年、邦訳が2008年。

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