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感想「楊令伝」10

「楊令伝」10 北方謙三 集英社文庫
とりあえず大規模な戦が終わって、小競り合いは残るにしても、いろんな所が国造りのフェイズに移行してるわけだが、難しい状況だなと思う。登場人物にとっても、著者にとっても。
戦がすべてだった人間が、みんな、そうでない世界にすんなり適応できるとは思えないし、実際、そういう不適応者もいくらか描かれてはいるけど、こんなもんじゃないだろうな、という気がする。しかも何が味方で何が敵か、単純に割り切れないややこしい世の中になっちまったから、なおさら戦をやってた、何事も単純だった頃が懐かしく思える人間が出る、というのが、本当のところだろう。
小説として見ると、理想の国造りなんてのがうまくいくわけがないと、どうしても思ってしまうし、戦と違って日常だから、(違う時代の違う国の話にしても)読者にとっても身近な世界なので、説得力を持たせるのは、ずっと難しい。絵空事ぽくならずに、北方がどこまで描き切れるかなあ。
理想に向かっていこうとする、爽やかさが感じられるのは確かなんだけれど。

まあ、理想を目指す途中で、つまらない戦いが起きて、つまらなく潰えていくというオチなのかも知れないが。それが一番現実的ではあるし、北方の時代小説の結末も大半はそれだ。そういう風になって欲しくない、とは思うんだけど、史実と違う話を書くことも出来ないだろうしなあ。
(2012.3.23)

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