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感想「エンジェル・シティ・ブルース」

「エンジェル・シティ・ブルース」 ポーラ・L・ウッズ ハヤカワミステリ文庫
ロスアンジェルスの女性黒人刑事ジャスティスを主人公にしたシリーズものの1作目。ロドニー・キング事件の判決をきっかけにした暴動の最中に、元黒人運動活動家が殺された事件を追う話。この被害者は主人公の夫と娘を殺して逃亡、潜伏していた人物なので、主人公に強いストレスがのしかかってくる。
だけど、なんだかあんまりそういうふうに見えない。そういう記述はいっぱいあるんだけど、主人公の行動を見ていると、苦悩を抱えてる割に、やたらと饒舌だし、随分元気だよなと思ってしまう。夫と娘を殺されたのは十数年も前なので、それは必ずしも不自然ではないと思うけれど、主人公がずっとそれを引きずって生きてきたという設定が方々に出て来るので、そこの所があんまりうまく書けてないなという気がしてしまう。
ひとつ、確かに言えるのは、背景になっているロスアンジェルスの緊迫した雰囲気を、自分があんまりリアルに感じ取れなかったことで、縁のない世界のことなんで、それはまあ、仕方ないよなと思うのだけど、小説全体についても、それがあるのか。
まあ、ジャスティスみたいな仕事をしてる人間は、これくらい威勢がよくなきゃ、やってられんだろう、とは思うが…。そういう意味では、そもそも設定に無理があるのでは、という気がしないではない。小説としても、全体的に強引な展開が目立つ感はあるし。
ちなみに、主人公を見て、ちょっとキンジー・ミルホーンを思い出したんだけど、まあ、あれほどヒドい(言ってることは達者だが、やってることはデタラメ)キャラではなかった。とはいうものの、やっぱりイマイチだったな。

1999年刊行。邦訳は2003年。
(2012.3.7)

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