感想 「楊令伝」13
「楊令伝」13 北方謙三 集英社文庫
ここまで追い詰めるか、と思った>楊令と岳飛。「国」の在り方ということに正面からぶつかって、岳飛はとりあえず玉砕、楊令がこの後、どうなるのかは分からんけど。
他の人間も考えたり悩んだりはしてるが、梁山泊の人間なら、結局最後は楊令に任せることになるし、張俊や李富あたりだと、もう少し手前で割り切ってしまえてる。誠実に考え抜こうとした結果、深みに踏み込んでしまったのがこの2人。だから「楊令伝」で「岳飛伝」なんだろうけど。
北方はどの辺から、楊令をこういう場所へ持っていくことを考えていたんだろう。北方自身がこの本で目指していたテーマを書いていくうちに、自然とこうなったんだろうか。「楊令伝」が始まった時に立っていた場所から、随分遠い所に今の楊令は居るという感じ。でもそれが不自然でなく描けてるというのが、作家の力か。
それにしても、全15巻のはずが、この期に及んでも、新展開の種があちこちに。ほとんどシームレスに「岳飛伝」になだれ込んで行くんだろう。
(2012.7.4)
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