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感想 「公安は誰をマークしているか」

「公安は誰をマークしているか」 大島真生 新潮新書
何年か前に鈴木邦男の「公安警察の手口」を読んだが、あれが著者の体験を踏まえた批評的な内容だったのに対して、こちらは比較的ニュートラルに公安の全体像を紹介する所に力点がある。
本書の意図としてあとがきに書かれているのは、公安が暴走することに対する危惧と、それを国民がチェックするためには、彼らがどんなことをやっているのを知ることが必要であり、そのための入門書として、本書を書いたということ。
暴走と思える事例をいくつも紹介している所に、その辺の意図は見えるかな。ただし、鈴木がそうした事例をベースに、公安の暴走の危険性を訴えていたのに対して、本書は、あくまでも事例を紹介するだけで、それをどう考えるかは読者次第、という置き方だけれど。
それでも、組織が肥大化した一方、「敵」が縮小したために、保身のために「敵」の対象を広げていく構造の危うさは、本書でも指摘されているし(そもそも、本書のタイトルは、それを意識していると思われる)、その延長に普通の市民が公安のターゲットになるおそろしさも見える。それこそ、普通の市民が参加している反原発運動だって、ターゲットになってるんじゃないかと思うわけで。
本書は鈴木の本に比べると、ずっと公安寄りな立場で書かれた本だと思うけれども、それでも危機感は感じ取れるし、それだけ深刻な問題なんだろうと思う。でも、他人事だと思っちゃう人間が多いんだろうな。

あとは、海外との関係で動く外事について詳しく書かれていた点が、「公安警察の手口」では薄かった部分だったので、興味深かった。
(2012.5.20)

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