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感想「フォックス家の殺人」

「フォックス家の殺人」 エラリー・クイーン ハヤカワミステリ文庫
何度も読んでる小説だが、きっちり読み返すのは相当久しぶり。比較的小ぢんまりした作品というイメージはあったけど、イメージ以上にあっさりしていた。こんなもんだったかな。もっとも内容自体に特に不満はない。小粒とはいえ、よく構成されている。
最初に読んだ時、ちょっと出来過ぎな話だと思ったのを覚えている。でもミステリ(小説)なんだから、出来過ぎなのは、ある意味当たり前。というか、周囲のシチュエーションはともかく、事件自体は、特殊な犯人が居ないと起きなそうなクイーンの他の小説に較べたら、むしろ現実に起きても不思議ではないもののような気がする。そういう小説の方を、逆に作為的と感じた理由というのは、一考に値するかもしれない。
今まで意識していなかった(あるいは忘れていた)が、この本のデイヴィーとリンダの周囲の人間関係は、「十日間」のハワードとサリーととてもよく似ている。続けて同じような人間関係の小説を書いたということは、クイーン(のどっちか)は「フォックス」の出来に不満が残ったということなのかな。
戦争がとても大きな要素になっている小説だが、クイーンの他の作品と違って、戦争はプロットが要求する必然的な要素にまではなっていないような気がする。ミステリとして以上に、社会派的な意識で導入された要素なんだろうかと思った。
(2012.10.19)

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