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感想 「葉桜の季節に君を想うということ」

「葉桜の季節に君を想うということ」 歌野晶午 文春文庫
この作家は新本格ブーム当時のデビュー作(1988年)から何冊か読んでる。当時の新本格作家の中では、マニア臭くないところは気に入ってたんだけど(綾辻とか有栖川とかは、いかにもマニアが本書いてますという、閉じた感じがあんまり好きじゃなかった)、その分、話の造りも割と適当だったんじゃなかったかな。多分、そのせいで読まなくなった(というか、新本格自体に、辟易し始めたこともあった)。だから20年ぶりくらいに読んだんだと思う。ちなみに本書の刊行は2003年で、いくつか賞も取ったらしい。
あんまり期待しないで読み始めて、冒頭がいかにも下品な感じで、そうだなあ、こんな調子だったなあと思ったから、まあ、こんなもんかと思ったけれど、話の進め方が結構手際がいいし、入り方の割には主人公のキャラクターも悪くなくて、スイスイ読めた。ただ、ちょっと変な所があると、ずっと思っていたら、そういうことだったか(^^;)。やっぱり新本格のテイストは持ち続けてるんだなと思ったが、ここの仕掛けもあんまりあざとくなくて、バレたらバレたでしょうがねえ的な開き直りが感じられたもので(多分、ある程度勘が働けば、気が付くと思う)、結構好感を持った。そもそも、その謎で引っ張っている小説でもない。わかってみると、なるほどと思うんだけど。
面白かった。キャリアを積んだ分、小説の作り方も昔よりもうまくなっているかな。もっとも、文章そのものは、必ずしもうまいとは言えないのを、逆手に取ってるような感もないではない(^^;)。
(2012.11.2)

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