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感想 「ねじれた文字、ねじれた路」

「ねじれた文字、ねじれた路」 トム・フランクリン ハヤカワポケミス
この作家は短篇集「密猟者たち」が凄く良かったので、気になってた本。その割に読むのが遅くなったが…。邦訳刊行は去年。
南部のさびれた田舎町(というか、集落くらいのイメージかもしれない)で、25年前に少女を殺した疑いをかけられてから、村八分状態で生きてきた白人の男(ラリー)と、少年時代に彼と友達だったことのある黒人の警官(サイラス)の半生をたどっていく小説。そのきっかけになるのは、ラリーが銃撃されて死に瀕する事件。
所詮翻訳なので、原本の本当の味わいは分からないだろうとおもうが、丁寧な風景や人物の描写に重厚感があって、小説らしい小説を読んでいる実感がある。登場人物が背負った、そういうふうに生きるしかなかった運命の重さみたいなものが、読んでてのしかかってくる感じ。
小説の終盤にはミステリ的な真相にたどり着くが、これもミステリとして衝撃があるというより、ふたりの人生を決定してしまった出来事、という意味合いでの衝撃だな。
ただ、アメリカ南部を舞台にしたこういう小説は、結構読んでるはずで、またこの手かという気はしないでもなかった。アメリカではそれだけ普遍性のあるテーマなんだろうけど。
(2012.11.17)

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