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感想 「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」

「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」 菅直人 幻冬舎新書
福島原発事故が起きた時、何があったかということが書かれている。基本的には菅直人の自己弁護のための本だから、誰が何をやって、責任は誰にある、というようなあたりは、ある程度割り引いて読むにしても、全体を見る立場の当事者だった人物の本だけに(どこまで本人が書いているかは知らないが)、あの時、何が起きたかという部分は、生々しくて迫力がある。当時はこんな感じだったよなと思う。
事故対応に関して、菅がスタンドプレーに走ったせいで、現場が混乱したという言い方がやたらとされるけれども、菅が騒いだから、あれくらいで済んだんじゃないかと思っている。菅がやったことが最善ではなかったにしても、あっちこっち(特に財界とかのだね)の顔色を窺うことしか出来ない人間が首相の時に、ああいうことが起きていたら、と思うと…。もっといい結果になっていたとは考えられない。だから、菅の叩かれ方は異常としか思えないんだよな。
東日本全体の避難が必要になる可能性ってのも、あの時は本当にリアリティがあったし、原発が一ヶ所吹っ飛ぶとそういうことが起こるかもしれないというのを体験した以上、日本のような国土の国で、あんなに大量の原発を持ち続けるのは、やっぱりありえないと思う。そのことを書いているだけでも、先日読んだ、事故の可能性にはほっかむりしてる原発推進派の本よりも、ずっと信用が置けるように感じる。
長い年月の間に、あれだけ大きい規模のプラントで、事故が起こらないなんて絶対ありえない。原発を推進するにしても、まずそれを認めて、事故が起きた場合のことをどう考えるかという点を、はっきりさせてからやるべきだと思う。
(2014.11.14)

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