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2012年に読んだ本

海外小説
ウッドハウス、P・G ジーヴスとねこさらい
ウッズ、ポーラ・L エンジェル・シティ・ブルース
クイーン、エラリー フォックス家の殺人
グッドウィン、ジェイソン イスタンブールの群狼
ハート、ジョン 川は静かに流れ
ブラウン、カーター 金髪のオンザロック
ブラウン、カーター 死のおどり
ブラウン、カーター 絹いろの悪夢
ブラウン、カーター 恐怖が這いよる
フランクリン、トム ねじれた文字、ねじれた路
ブルース、レオ 死の扉
ホック、エドワード・D サイモン・アークの事件簿III
ホック、エドワード・D サイモン・アークの事件簿IV
マクドナルド、クレイグ パンチョ・ビリャの罠
マクドナルド、ジョン・D 薄灰色に汚れた罪
マンケル、ヘニング ファイヤーウォール
ランキン、イアン 紐と十字架
ランデイ、ウィリアム ボストン、沈黙の街
飯城勇三(編) エラリー・クイーンの災難

国内小説
伊坂幸太郎 アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎 ラッシュライフ
歌野晶午 葉桜の季節に君を想うということ
大城立裕 小説 琉球処分
北方謙三 楊令伝 101112131415
黒川博行 疫病神
桜庭一樹 伏 贋作・里見八犬伝
新野剛志 八月のマルクス
戸梶圭太 誘拐の誤差
半村良 石の血脈
三浦しをん 舟を編む
山田風太郎 天狗岬殺人事件

海外小説以外
ブノアメシャン、ジャック 砂漠の豹イブン・サウド

国内小説以外
泉直樹 ドラフト下位指名ならプロへ行くな!
伊東乾 さよならサイレントネイビー
大島真生 公安は誰をマークしているか
小熊英二 単一民族神話の起源
小熊英二 社会を変えるには
児玉光雄 奉仕するリーダーシップ
佐藤優+宮崎学 国家の崩壊
菅直人 東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと
國安輪 二軍監督
佐山和夫 古式野球 大リーグへの反論
谷川彰英 地名に隠された「東京津波」
辻隆太朗 世界の陰謀論を読み解く
堤哲 国鉄スワローズ1950-1964
秦郁彦 陰謀史観
半藤一利 ソ連が満州に侵攻した夏
藤沢数希 「反原発」の不都合な真実
堀井憲一郎 いつだって大変な時代
孫崎享 日本の国境問題
将口泰浩 キスカ島 奇跡の撤退 木村昌福中将の生涯
渡邉正裕 10年後に食える仕事食えない仕事
日本ラグビー狂会(編) 日本ラグビー 2019への試練
週刊ベースボール(編) スワローズ流必勝戦略
宮岡伯人(編) 北の言語 類型と歴史
文藝別冊 [総特集]いしいひさいち

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感想 「国鉄スワローズ1950-1964」

「国鉄スワローズ1950-1964」 堤哲 交通新聞社新書
交通新聞社が新書を出してるとは知らんかったし、そこにこういう本が入ってるというのも知らんかった。たまたま教えてもらって、読むことが出来た。去年出た本。

交通新聞社から出てる本なので、あくまでも「国鉄」という部分に焦点があって、国鉄がチームを手放した後のスワローズの話はほとんどなく、むしろ国鉄やJRの野球部についてページが割かれたりしている。そういう視点もあるよな、確かに。
俺自身はそもそも時期的に国鉄スワローズには間に合っていないし、小学校の頃までは、サンケイ/ヤクルト・スワローズ/アトムズのファンでもなかったから、本書の内容を直接記憶に照らしてどうこうというのは全然ないけど、今のヤクルトスワローズの源みたいな部分はやっぱりあるし、興味深く読めた。2リーグ分裂後について書かれた文章は、あちこちで結構読んでるが、国鉄について大きく取り上げたものはほとんど目にしたことがなかったからなあ。地味でマイナーな、今のスワローズに通じる(^^;雰囲気が、結構ここちいいよ。しかも、親会社が変わってるにもかかわらず、案外、チームの経営方針みたいなものは変わってなかったりするみたいだし。たとえば引退した選手は、国鉄が面倒見てたんだそうで、まるっきりヤクルトだ。やっぱり、チームの芸風というのは、けっこうしたたかなもんだったりするんだなあ。
国鉄はとてもスワローズを大事にしていて、当時も全国の職員が労使一体で全面的にバックアップしてたそうだ。俺の祖父は国鉄職員だったけど、スワローズを熱心に応援してたと聞いている。そういうことだったのかな。

短命だった武蔵野グリーンパーク球場の話が出て来たり(元々は国鉄がホームとして使う予定だったとか)、都市対抗の予選に出場していた国鉄の野球チームの名前の中に新津があったり(確かに大きい国鉄の工場があったんだが(今も工場は残っている)、そんなチームまであったとは知らなかった)、スワローズと直接関係ないところにも、いろいろ興味深い話があって、面白かった。
(2012.12.29)

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感想 「文藝別冊 [総特集]いしいひさいち」

「文藝別冊 [総特集]いしいひさいち」 河出書房新社
いしいひさいちは今年、デビュー40周年なんだそうで、それを記念して(かどうかはよくわからないが)出されたムック本。
以前、「文藝別冊」で出た吾妻ひでおの本に比べると、評論っぽい文章が少なくて、内容の紹介とか、単純に面白がってる感じの文章が多い気がする。そういう文章しか書けない作風ってことかな。それでいいとは思うけど。
いしいひさいちのマンガは、高校の頃からずっと愛読してて、単行本はほとんど持ってるくらいだったけど、出し直しの単行本が増えてきて、どれを読んでてどれを読んでないか、よくわからんようになってきたら、面倒になってぱったり読まなくなった。本書に掲載されたリストで見ると、それが96年頃らしい。そこから後は、ほとんど読んでなかったが、これを読んでて、載ってるマンガを読んでると笑えてきて、また読んでみるかという気になってきた。「ののちゃん」も、けっこう凄いことになってるとかいうし。やっぱり面白いわ。
(2012.12.27)

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感想 「日本の国境問題」

「日本の国境問題」 孫崎享 ちくま新書
竹島にしても尖閣諸島にしても、日本の領土だという日本の言い分に、ある程度理はあるんだろうと思ってるが、領土の境界にそんなに関心がなかった時代に放置されていて、人も住んでいなかった離れ小島を、今になって、残されているどっちの記録が先だとか、そういうレベルで争奪してるってのも、随分アホくさい話に思える。しかも、それが原因で人が死ぬような事態が起きるのは、バカとしか思えない。領海とかも絡んで、国益がどうこうという話になると、そう簡単に、そんなもんはどうでもいいと言いにくいのは分かるが、本当にどこまでの値打ちがあるのか、冷静に考えてから物を言った方がいいと思う。政府レベルでそういう判断が出来てないのが、今の日本の最大の問題なんじゃないか。
すぐに民意ってのが持ち出されるが、たいていの場合、そういうことをすると、こういう代償がありますってのを、ちゃんと説明しないで、都合のいい部分だけを説明して、支持を取り付けての民意だし。

しかも、この本を読んでると、竹島も尖閣諸島も日本の領土という主張の基盤自体が、決してそんなに盤石じゃないように思える。戦争してでも国土を守るみたいなことを簡単に言う政治家も居るが、こんなレベルの争いだということを理解した上で言ってるんだとしたら、頭が狂ってるとしか思えない。

この本で平和的な解決策として、いくつかの方法が書かれているが、結局「棚上げ」というのが一番現実的なんだろうと思う(これも書かれている選択肢のひとつ)。実際、これに限らず、国境なんて、基本的にグレーゾーンなのが一番いいんじゃないんだろうか。そもそも、昔はそうだったんだし。
まあ、相手があることだし、相手があまりにも無茶だと、穏やかにおさめようとしても、さすがになかなか、という面はあるに違いないとしても。

それでも昔は俺も、国際司法裁判所を使うなりなんなりで、スッキリ白黒つけちゃえばと思っていたけど、結局、スッキリ白黒つく話じゃないんだなということが分かってきて、思い直した。もつれた状態にあるものを無理やり白黒つけたとしても、どうせ遺恨が残るし、時代が変わって国同士の力関係が変われば、必ず蒸し返しになる。そう考えると無理に決着させるのは時間の空費だ。

ちなみに遺恨を残す決着の付け方で最大のものが戦争だと思う。だから、戦争による解決という考え方は絶対同意できないね。領土問題は戦争でしか解決出来ないという言い方も間違ってると思う。

それはそうと、北方領土問題って、日本とソ連の友好を妨害するために存在してるんじゃないか、その方が都合がいい誰かが背後にいるんではと、随分昔から思っていたが、この本によると、日ソ間で話がまとまりそうになると、アメリカがぶっ壊しに来ていたらしい。確かにさもありなんという感じ。
今は北朝鮮の使われ方に似たような物を感じるんだが、どうなんだろうな。

著者の結びとしては、政治家が領土問題で強硬発言をする時は、自己の勢力を強めたいという意図がある場合があり、その人物が何をやろうとしてるのか見極める必要があると言っている。全くその通りだと思う。
(2012.12.26)

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感想 「サイモン・アークの事件簿IV」

「サイモン・アークの事件簿IV」 エドワード・D・ホック 創元推理文庫
今回から収録作品のセレクトは木村二郎だそう(今まではホック本人)。なんとなく怪奇色が強まっている気がするのは、そのせいかな。解説を見ると、怪奇色を意識して、訳題を決めたりしているようなので。個人的に怪奇色が、このシリーズをホックの他のシリーズと差別化するポイントだと思っているので、いい傾向だとは思う。
ただ、パズラーとしての出来は必ずしもいいとは言えない気がする。たとえば「悪魔がやって来る時間」は雰囲気はいいが、謎解きの所が弱いな。
もっとも、ホックの作品としては、いつも通り、平均的に面白く読めたとは思ってる。
ひとつ選ぶなら「切り裂きジャックの秘宝」かな。話が多層化していて、いくつかのレベルでなるほどという部分がある所がいい。
(2012.12.25)

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感想 「社会を変えるには」

「社会を変えるには」 小熊英二 講談社現代新書
だいぶ前に読み終わってたけど、分厚い本だもんで、まとめるのに手間取ってしまった。その間にあんな選挙があったりして、市民運動が社会を変えるという機運は後退している感があるが…。著者にはそうなって行くのが必然という想定があるみたいだが、俺はそこまでは確信が持てないな。そういう風に変わらないと、この国は行き詰まるという気はするんだが、変わらずにどん詰まりまで行って暴発、みたいなことになりかねないと思う。90年代以前までの「成功体験」が華々し過ぎたから、あの頃に戻ればいいというような意識が働いて、変えていくという方向に向きにくい気がする。

本書は今の社会がどういう経緯で形成されてきて、どういう問題に直面しているかということを、歴史を追いながら丁寧に説明した上で、ではどうするかというのを考察した本。
ちなみに脱原発運動にも関わっている人なので、その観点からの記述が多いし、本書の第1章のかなりの部分は原発についての考察に充てられている。
この著者の本は、以前「単一民族神話の起源」を読んだが、あれと同じで、よく勉強しているし、勉強した内容をうまく整理して説明している。中学高校の頃、倫社とか政経とか、ホッブズとかルソーとか、ほとんど関心を持てなかったけど、こういうことだったのかと思ったよ。こういう授業を受けていたら、俺のココロザシもいくらか違ったかな。もっとも、あの頃は自分自身に当事者意識があんまりなかったから、実際は違わなかっただろうけど。

日頃感じる日本の社会への違和感を、よく説明してくれてる感じ。理屈に合わないように思えることも、今までのいきさつを見ていくことで、ある程度、そういう風になっている理由が見えてくるし、見えているかどうかで、こちらのリアクションも違ってくると思う。

基本的に著者が提示している、こうあった方が望ましいという社会像の方向は、俺が考えてることと合っている。

もっとも、これは正解を書いた本ではないと著者は言ってるので。特に、じゃあどうやって社会を変えていくのか、という部分は、いろいろな方法論を紹介はするが、こうすればいいという示唆はない。まあ、そもそも正解なんてないんだろうが。基本的には、世の中を変えたいと思うなら、まず動かないと、というのが、基本的な主張という感じ。
暗いと不平を言うよりも進んで灯りを付けましょう、みたいな感じかな(^_^;)。確かにその通りではあると思う。
(2012.11.10)

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感想 「八月のマルクス」

「八月のマルクス」 新野剛志 講談社文庫
これも初めて読む作家。1999年の乱歩賞受賞作らしい。
スキャンダルで芸能界を辞めた元お笑い芸人が、スキャンダルの火元になった芸能記者が殺された事件や、以前の相方の失踪の謎に絡んでいく話。

丁寧にプロットを張っていて、乱歩賞応募に向けた気合いが感じられる気がするし、それだけ伏線を張りまくっている割に、登場人物の繋がり方に無理がない。俺の感覚からすると、そんなに奇異な人物は出て来ないし、主人公の屈折したキャラクターも、嫌みがない。それでも平板な感じにならないのは、それぞれの人物像がしっかり造形されてるということだろうな。丁寧によく書けていると思う。
それほど特別な所はないと思うものの、オーソドックスな感じの作りで、以前、俺が好きだったタイプの小説。今も別に嫌いになったわけじゃないけど、絶対的に数を読まなくなった分、そういうのに遭遇する頻度が減ってる。もしかしたら、こういう普通のミステリ自体は、昔より割合が減っているのかもしれないけど。

芸能界を舞台にしているが(ただし、業界物的な臭みはほとんどない)、著者の略歴にそれを伺わせるものが見えないのが、ちょっと不思議だった。単に表に見せてないだけかな。
あと、解説にもあるが、いいタイトルだと思う。掴みとしても効いてるし、意味が分かったあと、しみじみとした後味が残るところも良かった。
(2012.12.22)

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感想 「伏 贋作・里見八犬伝」

「伏 贋作・里見八犬伝」 桜庭一樹 文春文庫
この作家も初めて読んだ。八犬伝を下敷きに、伏姫と八房の末裔の犬人間「伏」が跋扈する江戸で、少女の猟師が伏を狩る話。

解説を読むと、アニメ化されたそうだけど(ゲラの時点で決まってたということは、アニメ化前提の作品?)、いかにも今時のアニメの原作、という気はしないでもない。今時のアニメのことは、大して知らないけど(^^;)
主人公が威勢のいい女の子で、ホラーっぽくて、美形の男が出て来て、グロいところもあり、幻想的な場面もあり、アクションが華々しい。そんな所(^^;)

もっとドロドロした話かと思ったんだが、意外に爽やかにまとめられてた。素直に面白かったと思う。

伏はまるっきりレプリカントだよなあ、と思いながら読んでたんだが、終盤に「ブレードランナー」の有名なセリフ(「ブレードランナー」のオリジナルではないが)が出て来たから、著者は意識してるんだと思う。そもそもが八犬伝の「贋作」だし、そういうコラージュっぽい小説なのかも。既視感のある場面も結構多いし。
(2012.12.19)

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感想「天狗岬殺人事件」

「天狗岬殺人事件」 山田風太郎 角川文庫
山田風太郎は、今まであまりちゃんと読んだことがない。古本屋で見掛けて、サブタイトルに「ベストコレクション」と書いてあったことでもあり、読んでみた短篇集。
読み始めてみて、昭和20年代ぽい中身だなあ、と思ったんだが、最後に解説を読むと、やっぱり大半が昭和20年代に書かれたもの。ベストコレクションてのは、ちょっと看板に偽りありで、単行本未収録の落穂拾い的な短篇集だったみたい。
でも、内容は悪くなかった。技巧的で鮮やかな結末のミステリが大半。他に、ブラックユーモアな小説がいくつか含まれているが、ミステリも大半はブラックユーモア的で、エログロ的。その辺が昭和20年代ぽく見える理由だけど、それは山田風太郎の作風に持ってたイメージでもある。まあ、そういうイメージで、俺の好みじゃないと思ってたから、積極的に読んでないんだが。本書を読んだ後もイメージは変わらなかったし、他のも読もうという気はやっぱりあんまりしない。ただ、かなり巧い作家だというのは理解した。
雰囲気も独特だし、いかにもマニアが喜びそうではあるけど(2001年に刊行された時、このミスで高評価だったりしたらしい)、これより後に、この人が普通に人気作家だった時期もあるんだよなあ。まあ、その頃は作風が違うんだろうけど。
虚無感が強く漂っているのは、太平洋戦争直後の時期の小説だからなんだろうが、確か戦中の日記を題材にした著作もあったはず。作風への戦争の影響は小さくないんだろうと思う。
(2012.12.11)

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感想 「薄灰色に汚れた罪」

「薄灰色に汚れた罪」 ジョン・D・マクドナルド 長崎出版
トラヴィス・マッギーもの。2007年に出ていた本だが、かなり最近になるまで、出てることを知らなくて、マッギーものの邦訳は全部読んでる気でいた。まあ、これでまた全部読んだことになる、よな?

全部読んでるとはいえ、このシリーズのファンというわけでは、あんまりない。マッギーは探偵じゃなくて、トラブルシューターだし、そういう主人公の位置付けを反映して、小説もミステリとしては構成が緩い。本書も古い友人が破産させられ、殺されたことへの復讐譚。それでも復讐のテクニカルな所がうまく書かれていれば、面白く読めるんだろうけど、やっぱり今ひとつだった。
プロットの組み立てが緩いという以外にも、社会批評めいた雑談が多すぎるとか、ライフスタイルにリアリティが持てないとか、理由はいくつか考えられるんだが、要は相性が悪いんだな。相当久しぶりに読んだシリーズ作だったけど、それは変わっていなかった。
(2012.12.4)

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感想 「さよならサイレントネイビー」

「さよならサイレントネイビー」 伊東乾 集英社
この著者が社会問題について書いた文章は時々見ていて、独自の視点を持ってる人という印象があるけども、かなり変わった経歴を持っていることが、今ひとつ、ピンと来ていなかった。本書の中で(それがテーマではないが)著者の半生に触れている部分がかなりあって、ようやくこの人の背景や経歴と、物事の考え方が繋がって見えて来た気がする。
この人は、世の中に対して自分にしか出来ないことがあると思っていて、使命感を持って活動してるんじゃないかという気がする。そういう熱っぽさのある文章を書く。実際、経歴を考えると、これだけ広い領域の知識や交流関係をベースにして、論じることが出来る人間が、そんなにいるとは思えない。

本書はこの人の最初の本で、テーマはオウム真理教。東大の同級生として親しかった人物が、オウム真理教に入り、地下鉄サリン事件の実行犯になっていたことを取っ掛かりに、オウム真理教がどういうものだったかということを論じる。その過程で、そういうものを必然的に生んでしまう今の日本の構造について考え、こうした事件を二度と起こさないためには、オウム真理教事件の実行犯となった当事者たちの経験を聞き取って、生かしていくことが必要と訴える。
実行犯に対しても、口をつぐんで言い訳せずに責任を取って死んでいく、という日本的な美風っぽい行動を取るのでなく、すべてのいきさつを語ることで、同じような事件への抑止力として欲しい、と語りかける(これが書名の由来。黙って責任を取るという習慣が昔のイギリス海軍にもあって、サイレントネイビーというのは、そこに由来する言葉だそうな)。
根本的には、起きてしまった問題について、事実関係や責任の所在をうやむやにしたまま、水に流して決着させてしまう日本的な流儀への異議で、だから、同じような失敗を繰り返してしまうと主張している(その最大の例が太平洋戦争なんだろうな)。本当にその通りだと思うよ。今回の総理大臣もその一例、でなきゃいいんだけどさ。

関連するテーマも、かなり掘り下げて書いている(というか、本論に厚みを持たせるために必要な掘り下げ)。特にマインドコントロールの絡みで、聴覚からの情報は意識する前に直接脳に働きかけるので、有効性が高いという話が強い印象。「虐殺器官」だね。で、音楽が心を動かすというのも、同じ作用のわけだ。
メディアの発達で、広範囲なマインドコントロールをやりやすくなっている今の時代に、誰かに都合がいいように操られないためには、そういうことにも自覚的でないといけないということなんだな。

かなり色々な内容を盛り込んだ分、構成は若干破綻してるように見えるが、主張にはとても力があると思った。
(2012.11.20)

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トップチャレンジ2マツダ対三菱重工相模原

2012.12.24(月祝) 13時 秩父宮ラグビー場 

 マツダ 7(7−26)81 三菱重工相模原 
       (0−55)

三菱が勝てばトップチャレンジ1へ勝ち上がり。マツダも大勝すれば勝ち上がりの目はあったんだけど、実力的にキツいだろうなとは思ってた。ただ、どっちのチームも、過去の印象だけで、今季見たことがあるわけじゃないので、きわどい試合なら面白いけどなとは思ってた。

で、開始1分で三菱が先制。やっぱりかと思ったんだが、その後、三菱はペナルティを連発。じわじわゲインしたマツダが8分に同点に追い付いちゃう。
これで一瞬期待したんだけど14分に三菱が突き放すと、あとは点差は離れる一方だった。マツダは前半はそれでもなんとかこらえていたが、後半は完全に守備が崩壊して、三菱が大量得点。81対7で終了。

個々の場面を見ると、マツダはボールの廻りが速くて判断もしっかりしているし、一人ひとりが勝負に行って、それなりに勝てるスキルも持っている感じ。三菱との力の差は明らかにしても、そんなに悪いチームではないように見えたんだけど、守備があまりにも粘れな過ぎた。もしかしたら、彼らが日ごろ闘ってるトップキュウシュウと、三菱のトップイーストの差なのかもしれない、という気がした。

三菱はトップチャレンジ1を決めたけれども、今日の試合ぶりを見ていると、けっこうスキがありそうな感じ。マツダはWTBシェーン・ウィリアムズのスピードとテクニックに翻弄されて、そこから崩れた感じだったんだけど、そこを止められると、案外三菱も決定的な攻め手はないのかも知れない。トップチャレンジ1の対戦相手(クボタ、織機、コーラ)の試合も見ていないから、どういう力関係なのかわからないけれど、昨年度のトップチャレンジ2でクボタにスキがあるな、と思って見ていたら、昇格失敗したということもあったので、気にはなる。まあ、クボタのあれもかなり特殊な昇格失敗だったけれども(^^;)。
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天皇杯準々決勝 名古屋対横浜

2012.12.23(日) 13時 瑞穂陸上競技場

 名古屋グランパス 0(0−0)0 横浜F・マリノス
           (0−0)
           (0−0)
           (0−0)
           6PK7

来週、国立の準決勝に名古屋が行くとは限らないと思ったので、見に行っていた。実は瑞穂で天皇杯の名古屋戦を見るのは、20年目にして初めてだったりする(^^;)

今年2回の対戦がどっちも1対1ドローだった横浜戦に相応しい内容だったような。
名古屋は、なんだよ、それ的な場面がやたらと目に付いたけど、多分マリノス側もおんなじように思ってたんだろうな。マリノスの方が決定的な場面は多かったから、むしろあっちの方が焦れていたかもしれん。

名古屋の前半は、(いつも通りなんだけど(^^;))そんな所でボールを取られる、そんな所へパスを出す、ダニウソンのダメっぷりが目についた感じ。それと(これもいつも通りなんだけど)肝心な場面でミスする藤本。
後半序盤にダニウソンに代わって田口がボランチに入り、試合をコントロールし始めると、試合運びが急にスッキリした感じだった。今年の名古屋の収穫は田口に尽きるわ。来年もこのまま育ってくれれば。
結構決定機も作ってたんだが、最後の所で合わなくて得点出来ず。玉田の足にうまくボールが付かない感じだったのも響いた気がするが、まあ、さすがにマリノスの後ろ2枚は強かった。
うちのディフェンスも、今日はそんなにひどいポカはしなかったし、楢崎の奮闘もあって、延長含めて120分、無失点で切り抜けることは出来たが…。
PK戦でいきなり藤本が枠外へドカンと蹴り出す。それでもマリノスの5人目(小野)を楢崎が止めて、タイに持ち込んだが、8人目のハユマが止められて終了…。

最後は今年でチームを去る選手たちにサヨナラしておしまい。巻の胴上げは笑ったけど。

PK戦はせっかくだから吉村に蹴らせてやりたい気もしたけど、もし失敗したらトラウマだったろうから、順番が廻らなくて良かったのかもしれないな。

これでグランパスの今季日程は完全終了。結局、いまいちぱっとしなかったなあ…。
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「仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ MOVIE大戦アルティメイタム」

おつきあいで見に行った(^_^;)

毎度のパターンで、フォーゼ篇とウィザード篇をそれぞれやった後、両方が合流して最終決戦という構成。
通しの悪役でアクマイザー3が登場。まるっきり悪役だし、イビルの造形は悲しすぎる。
フォーゼ篇は、話が安すぎてどうしようもない。ちなみにイナズマンがゲスト。
ウィザード篇はポワトリンがゲスト。脚本は浦沢義雄。その力もあってか、こちらは結構見てられる話になっていた。
最終パートは内容的には結局ぐちゃぐちゃなんだけど、それを何とか話としてまとめあげた浦沢義雄の力業にまた感心。しかし、最終決戦の部分なんか、映像としてはほぼフルCGだよなあ。なんかつまらんという気がしてしまう。

アクマイザー3の扱いは、ひでえなという感じだったが、ガブラッチョの湖ぽいのがあったのは、ツボではあった(^^;)。これでガブラの声が八奈見乗児だったら、かなりOKだったんだが、さすがに無理だったろうなあ。あと、イビルにコップかバケツに変身して欲しかった(^^;)。(ちなみに、名前は実際は、ザビタン、イビル、ガブラではなくて、ザタン、イール、ガーラだったらしい)
ポワトリンはテレビシリーズを見てなかったので、ディテールの遊びは(あったんだろうが)全くわからず。

しかし、イナズマンも含め、ゲストについては、ある程度旧作の知識があれば面白い、という部分が多すぎる気がした。分かってないと、そういう部分はとりたてて面白くもなさそうに思えたし、こんな作りでいいのか?、と思わないでもなかった。

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天皇杯4回戦 名古屋対熊本

2012.12.15(土) 15時 瑞穂陸上競技場

 名古屋グランパス 5(2−2)2 ロアッソ熊本
           (3−0)

昼間の外出から帰宅して、結果を知る前に、BSの中継を録画しといたのをさっさと見た。

前半はしょーもない試合。かなり歴然と力の差がある相手に見えたし、攻めまくったあげくに、早々と藤本のクロスからツリオが押し込んで先制した時は、楽勝じゃんと思ったのに、カウンター一発で失点。それでも金崎のゴールで突き放して、今度こそ楽勝ペースと思ったら、前半終了目前に、ダッサイ守備で失点。守備の崩壊は、全然直ってない。
後半、熊本が先にビッグチャンスをつかんだがシュートをフカした。その後、名古屋がゴール前のこぼれ球に小川がうまく入ってきて、再度突き放すと、よーやくあるべき展開に落ち着いた感じ。後半はゴール量産でスコアは5-2で勝ち抜け。
まあ、攻撃は結構いい形が出来ていたし、悪い内容ではなかったと思う(でも、相手はJ2だけどね…)けれども、守備が相変わらず酷い。こんな守備で、どこまで行けるのか。とりあえず次は、今季2戦2引分けのマリノスだが、ついに決着をつける戦いになるのか?

しかしまあ、今日の試合を見ていて、去年や一昨年だって、物騒な守備ミスがなかったわけじゃないよな、と思い始めた。そういうミスを、ツリオや増川がよくカバーしてたんで、結果に響かなかっただけだよな。今年ダメだったのは、増川のピークが過ぎた?ことと、ダニエルがそういうタイプのDFじゃない(もしくはまだチームに馴染み切ってない)せいなんじゃないかな。そんな気がする。

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ヤクルトレビンズ

別に何もないけど、今シーズン、見てたんで、最後にまとめとく。

ヤクルトラグビー部サイトのシーズン終了挨拶のリンク

トップイーストdiv1のリーグ戦9試合で4勝5敗の6位は、シーズン前に思っていたより、全然良かった。しかも、見てて面白い試合をしてた。嬉しかった。

よくイースタンリーグの試合を見に行ってるスワローズの球場の、隣のグランドで練習してるラグビーチームという縁しかないチームなんだけど、去年の入替戦の結果で、トップイーストdiv1に上がれることが決まってから、リーグ戦が始まるのを不思議なくらい楽しみにしてて(^^;、行ける限り試合を見に行ったし(4試合)、今年は、ひいきチーム(スワローズとか、グランパスとか)の中で、観戦していて一番わくわくさせてくれたんじゃないかと思うくらいだった。
なんせ、秋田まで見に行ったくらいだものな(^^;

来年は結構マークもきつくなるんじゃないかと思うんだが、また楽しい試合を見せてもらいたいもの。来年も、行ける限りは見に行きたいな、と。

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トップリーグ第10節サントリー対東芝

2012.12.8(土) 13時 味の素スタジアム

 サントリーサンゴリアス 15(10−3)14 東芝ブレイブルーパス
              (5-11)     

トップリーグ見るのはかなり久しぶりな感じ。実際先月は中断してたんだけど、その間、試合自体はトップイーストで見ていたから、そういう印象。

ずっと東芝が押し気味に試合を進めて、パスも回るんだけど、ゴール前5mくらいになると、そこからどうしても進めない。パスで揺さぶっても穴が開かないし、モールもがっちり止められちゃう。ヒルのPGも外れる。そうこうしてるうち、18分に多分この試合初めて、サントリーが22mを越えて攻め込むと、左サイドで東芝が作った穴を突いて長友がトライで先制。
その後も東芝が押すんだけど、サントリーの堅守は崩れない。もっとも、やたらとペナルティを犯していたから、それが片端からPGになっていたら、展開は変わっていたかもしれない。実際はヒルが1本決めただけ。しかもロスタイムに入ってから、東芝が押し込んできたのをサントリーが奪ってペナルティに繋げ、ライアンが蹴り込んで10対3で折り返し。サントリーは強えな、余裕こいてるな、という感じ。
ただ、後半になると少し印象が変わってきた。相変わらずの展開で、ヒルのPGで10対9になり(ただし3本蹴って、一番イージーだった2本目はポストに当てて失敗)、1点差になっても尻に火が付いた感じにならない。21分に東芝が繋いで、仙波がトライを決め、ついに10対14と逆転。サントリーは実は余裕こいてるんじゃなく、本当に調子が上がらないらしいと、ようやく思った。
それでも27分に今度はサントリーが粘って繋いで、最後は小野澤が決めて再逆転、15対14。
東芝もその後、よく攻めて、38分に遂にペナルティを得たが、ヒルはもう交代して居ない。森田が蹴るが外れる…。サントリーの逃げ切り勝ち。

まあ、なんのかんの言っても、やっぱりサントリーは強い、と言うしかない試合ではあったかな。
東芝はヒルのキックが残念だった感じ。最後も今日の出来では、ヒルが蹴っても外れだったかな。強い風の影響もあったのかも。
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トップイースト2部セコム対サントリーフーズ

2012.12.2(日) 13時 セコムラグビーフィールド 

 セコムラガッツ 29(5−5)10 サントリーフーズ 
          (24−5)

トップイーストdiv2最終戦。セコムは勝てば全勝優勝。試合結果を見てる限り、今年のセコムはかなり強いみたいだったし、フーズは少し離れた4位だから、試合が壊れなけりゃいいなと思ってた。

始まってみると、やっぱりセコムが押し込む展開。ただ、フーズのFWが強かった。セコムがモールで何度もゴールへ迫るのを跳ね返す。20分についにセコムがラインアウトからモールで押し込んだが、10分後に今度はフーズが同じ形で、しかもモールを10mくらい一気に押し込んでトライ。前半は5対5。
後半も同じような感じ。10分過ぎにセコムがモールサイドをSH池田?が突いてトライ、難しいゴールを湯上が決めたが、10分後にフーズは、足の速いバックス陣が大きくゲインした所から展開して持ち込み、12対10と追いすがる。
しかし、30分過ぎに、セコムがゴール前へ蹴り込んだボールをフーズがノックオン。アドバンテージでプレーオン状態のボールを、タッチへ蹴ったが、セコムがそれをカットしてそのままトライ。7点差に突き放した。これでフーズはガクッと来た感じ。以降はセコムが押し込む展開で、終了前にセコムがトライをふたつ重ねて、最終スコアは29対10。セコムが全勝優勝を達成。

セコムの順当勝ちではあるけれど、フーズもかなり最後まで見所を作ってくれて、面白く見れた試合だった。フーズは強いFWと速いバックスの組み合わせで、ハマれば強そうだったが、ハンドリングのミスが多すぎて、ビッグチャンスを作りつつも生かしきれなかった印象。
セコムは地力を発揮した感じで、今年は、ここ数年では初めて、勝負強い試合が出来ているのかな。次はIBMとの入替戦。今年のIBMは見てないから、どういう試合になりそうなのかは、全然わからないが。
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(このスコア表示は間違ってる可能性がある。関東協会のサイトに載っている結果も29対10)

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J1リーグ第34節浦和対名古屋

2012.12.1(土) 15時半 埼玉スタジアム2○○2
観客 51879人 主審 村上伸次 副審 中野卓、岡野宇広

 浦和レッズ 2(1-0)0 名古屋グランパス
        (1-0)

 得点 23分 浦和・柏木
    59分 浦和・槇野(FK直接)

見に行っていたが、かなりどうしようもない試合だった感じ。
初めの方から、左サイドを平川に崩される場面が目立っていて、手を打たないとあぶないぞ、と思っていたが、結局23分に、平川の左からのクロスを柏木に決められてしまった。もっとも、柏木のシュート自体は、ナラが止めていてもおかしくないように見えた…。結局、また変なミスで失点してしまったという印象。
前線でツリオに全然存在感がなく、攻撃が形にならない。点が取れそうもない。でもまあ、浦和もそれほどいい内容には見えないし、持ちこたえていれば、そのうちチャンスはあるかも、と思っていたが、後半の59分に、槇野の豪快なFKが直接決まって0-2。
これでもう、かなりダメっぽい感じになった。ゴール前まで攻め込む場面は、そこそこ回数はあったものの、判断の遅れやシュートの譲り合いで逸機してばかり。惜しいシュートというのが、ほとんど記憶にない。名古屋がダメな時の典型みたいな試合運びで、そのまま終了。

まるで高揚感のない試合だった。しかも、結局、浦和が3位になってACL進出。うちが勝ってりゃ、うちが3位でACLだったんじゃねーのと思うと、必要以上に腹立たしく…。ACL出場に値しないシーズンだったのは、百も承知だけど、目の前でああいうのを見ちゃうと、さすがに。

来年が思いやられる。
ツリオのFW起用も、ここまでの試合では、よくやってる以外の何物でもなかったけれども、肝心なこの日の試合で、こうも精彩を欠くようだと…。まあ、埼玉スタジアムに来るとシュンとしちゃう可能性は、去年を考えれば、十分予想はついたわけだから、起用を見合わせるという選択肢もあったのかもしれないけれど。
まあ、今年は、ここ数年の名古屋を支えてきたいろんな要素が、本格的に壊れ始めたシーズンだったと思ってる。来年は大きく変えていかないといかんのじゃないかな。うまくやらないと、ガンバみたいになりかねない。
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