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感想 「本当は知らなかった日本のこと」

「本当は知らなかった日本のこと」 鳥越俊太郎+しりあがり寿 ミシマ社
タイトルと冒頭をちょっとだけ見て読んでみたんだが、今の日本の問題点について論じる、という内容。基本的には鳥越俊太郎が本文を書き、しりあがり寿がマンガや短い文章で、茶々を入れたり、コメントしたりという感じ。
今の問題は過去に原因があり、それを掘り下げて今の問題を語る、というような趣旨が書かれていて、そこに興味を感じて読んでみたんだが、先日の「社会を変えるには」にあった、同じような方向性の文章に比べると、掘り下げがかなり浅い感じがする。研究者とジャーナリストの違い? 書かれている内容も、それほど目新しい感じはしないので、タイトルで言ってるほどのものには思えないんだが、2006年の本だから、この本が出た時点で目新しかった内容も、既に常識化してる(もしくは時代遅れになっている)ということはあるかもしれない。2006年から今までの間には劇的な変化がいくつも起きたわけで、それ以前に「今の時代」について書かれた文章は、急激に古びたと思われるので。

ちなみに、安倍晋三が総理大臣になった、というくだりがあちこちにあるが、もちろん1回目のこと。だから民主党の急激な台頭も没落も、この本にはまるで出て来ない。
中国や韓国との外交問題も、沖縄の問題も、比較的軽く書かれていて、割とたかをくくって見ている印象。現在のようなこじれた状態は予想していなかったぽい。
なにより、エネルギー問題を論じているくだりで、原子力について、否定的にも肯定的にも、全く触れていないのが、6年前はそんなもんだったか、という感じで強い印象が残った。

ちなみに、しりあがり寿の文章やマンガの大半が、とてもストレートで普通なのが意外な感じだった。この人は、絵柄の割に、いしいひさいちみたいに、斜めに構えないんだな。そういえば、震災をテーマにすることについて、朝日の連載マンガが夕刊のしりあがり寿がああで、朝刊の自分はこうだから、役割分担のようになっていて感謝している、というようなことが、この前読んだいしいひさいちのムック本に書かれていたんだった。
(2013.1.10)

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