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感想 「償いの報酬」

「償いの報酬」 ローレンス・ブロック 二見文庫
マット・スカダーもの。去年の夏過ぎに出て、本屋に並んでるのも見たんだが、何となく既読本の再刊と思い込んで、手にも取らなかった。某氏の年賀状の文面で、新刊だったことに気付いて、慌てて買いに行った。原著は2011年の刊行。

とはいえ、そんなに期待していたわけではなかったけど、予想外に面白かった。理由ははっきりしてて、訳者があとがきで書いてることでもあるが、これが以前(「八百万の死にざま」以前)に近いスタイルで書かれていたからだ。
その頃のスカダーものは好きだったし、「八百万の死にざま」は破格だったけど、これが頂点と思わせる大傑作だったと思ってる。でも、それ以降は、私立探偵小説の王道っぽい路線だったのが、サイコキラーとの死闘みたいな話ばっかりに変化して行って、時代の要請に応えた形だったんだろうけど、ずっと違和感があった。しかも、作風自体も枯れてきて、とりとめのない話が延々と続くようになり(それでもとりあえず読ませるというのが、ブロックの技だが)、近年は一応読むけど中身は期待ていなかった。

でも、昔みたいなのも、書こうと思えば書けるんじゃん、というのが本書だな。80年代の事件を回顧した内容だけでなく、結末のモヤモヤ感も含めて、これは昔のスカダーものだ。
なぜ唐突にこんなのを書いたのか?というのは、よくわからんけど。ノスタルジーの産物なんだろうか。仮に、これからまたこういうのを次々書いていく、と言われたら、さすがに、今さら?と感じるだろうな。やっぱり、時代に合った作風ってのはあるだろうと思う。まあ、ブロックが、こういうのを書き続けるつもりとも思わないが。
(2013.1.18)

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