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感想「失踪入門 人生はやりなおせる!」

「失踪入門 人生はやりなおせる!」 吾妻ひでお 徳間文庫
「失踪日記」が評判になった後、雑誌で連載されていた企画物の書籍化だそう。吾妻ひでおを「失踪」の師匠に見立てて、そのノウハウを、中塚圭骸という人物が、弟子としてインタビューするという趣向(そこにもう一人、編集者が絡む)。ただ、実際には必ずしもそういう内容ではなくて、失踪に至ったあれこれや、元アル中で躁鬱病を抱える吾妻ひでおの日常についてや、さらにまた、インタビュアーの中塚も、鬱病を抱えて少年の頃から薬を飲み続けている人物で、彼のそうした生活も語られる。もちろん、ギャグ的に書かれているわけだけど、正直、かなり重たい。なぜ彼らがそういう病気を抱えることになったかといういきさつを読んでいると、自分自身も結構思い当たる節があるし、俺はたまたまそこまで行かずに済んだだけだな、とも思えるわけで。幸運だっただけなんだよな、という気がする。

まあ、こういう人たちでも、なんとかなってるんだから、というのはないわけではなく、励まされるといえば…どうかな。最後の所に、本書(文庫版)刊行の趣旨として、「不安から目をそらさず、それでも笑って、明日を目指そう」ということが書かれていて、確かにそういうメッセージは感じられる、とも思うんだが。

それにしても、中塚圭骸は香山リカの実弟なんだそうで、こんなすさまじい弟が居たのか、という感じ。というか、ここで語られている香山リカてのも結構凄くて、この人も、たまたま破綻しないで済んでるだけの人間なのかも。だから、破綻してしまったり、破綻してしまいそうな人間への目配りが感じられる文章が書けるのかも知れないと思った。
(2013.2.24)

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