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感想「低開発の記憶」

「低開発の記憶」 エドムンド・デスノエス 白水社
カストロの革命の直後のキューバで暮らす、インテリで元ブルジョワな男の日々を描いた、手記の体裁を取った小説。当時のキューバで書かれたもので、主人公には著者が投影されている。
そういう背景がある割に、政治的な雰囲気はあまり感じられない。アメリカの封鎖によって起きている、革命の生活への影響についての批判的な記述は結構あるが、そういうのを書くのも別に問題はなかったようだ。もちろん背景に革命がずっと見えてはいるが、どっちかというとモラトリアムな人間の普通の日常を描いた小説という印象で、あまり特別な状況下にいるようには感じられない。キューバ革命がそういう革命だったということなのか、人間は簡単に環境に適応してしまうということなのか。
所々でキューバとキューバ人を低開発と自嘲するが、だからといってキューバをいやがっているわけではない。アメリカやソ連などの大国の思惑に振り回される小国の悲哀を滲ませつつ、そういう国で生きていることと向き合おうとしている感じかな。
(2013.3.7)

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