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感想「極夜 カーモス」

「極夜 カーモス」 ジェイムズ・トンプスン 集英社文庫
ジェイムズ(ジム)・トンプスンの小説だって?、と思って読んでみた。もちろん別人なのは承知の上(^^;)
フィンランドを舞台にした警察小説で、アメリカ人の妻が居る警部が主人公。ちなみに著者は名前の通りアメリカ人で、フィンランド在住、妻がフィンランド人だそう。黒人(ソマリア人難民)女優が惨殺された事件を追う話。
フィンランドが人口比ではとても殺人事件が多い国だとか、フィンランド人は表には出さないが、非常に差別意識が強いとか、そういうネガティブな話がばんばん出て来るが、本国では、問題意識が尖鋭な所が、保守的な層には嫌われてるが人気のある作家だそうなので、かなり真実を突いているんだろう。読んでいて、フィンランド人って割と日本人に似たメンタルなのかもと、ちょっと思った。
殺人事件が次々起きるし、どれも結構凄惨。小説自体の暗さに合ってはいるし、プロットからの必然性もあるんだけれども、主人公の身近な所で事件が起こり過ぎという感はないでもない。それだけ狭いコミュニティなのかもしれないが、これでシリーズものだと言うから驚き。2‐3作たったら、主人公の身内も知人も、みんないなくなっちゃいそうな勢いだ。
小説としても、事件そのものよりは、舞台の特殊さとか、主人公の個人的な苦悩 とか、そっちに焦点が合ってしまってる感じ。そういやあ、ヘニング・マンケルもそういう傾向があるし、いかにも北欧的なミステリなのかも。興味深くはあったし、「極夜」の陰鬱な雰囲気はよく伝わってきたが、いまいち引きは弱かった。
ちなみに、「あの」ジム・トンプスンとは、暗い話という以外は特に共通点はなかったかな(^^;)
(2013.3.27)

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