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感想「猛スピードで母は」

「猛スピードで母は」 長嶋有 文春文庫
この作家は、しばらく前に東京新聞にとりとめないコラムを連載していて、どういう作家なんだろうと思ってた。古本屋でめっけたんで、読んでみた。
淡々としたとりとめない小説だった。つまらなくはなかった。子供が主人公の中篇2篇(表題作と「サイドカーに犬」)で、主人公と、威勢はいいけど屈折を抱えた、父の「愛人」や母親との交流を描いたもの。著者がそれくらいの年齢だった頃に遡った設定で書かれているので、同世代的な感覚もあって(実際はこっちの方がそこそこ上なんだけど、固有名詞の使われ方とかから判断すると、雰囲気はそんなに違わない気がする。もしかすると、著者の方で少し時代をずらしているかも)、子供の頃は確かにこういう物の感じ方をしていたかも、と思ったりもした。そのあたりが、この作家の持ち味のひとつなのかもしれない。
ただ、それ以外の部分については、こんな風な小説なら、結構読んだことがある気がするんだよなあ、と思った。多分、日本の小説じゃなくて(そもそも、あんまり読んでないから)、アメリカあたりだと思うんだが。こんなので芥川賞とか文學界新人賞なのかなあ、という感じはした。

ちなみに「サイドカーに犬」は少女の一人称なんだけど、途中まで少年だとばかり思ってた。
(2013.4.2)

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