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感想「夢の蛇」

「夢の蛇」 ヴォンダ・マッキンタイア サンリオSF文庫
先日、伊勢佐木町の古本屋で入手したもの。確かハヤカワから再発されてたはずで、それで安かったんだろうと思う。ハヤカワ文庫を古本で買っても、もうちょい高いかもという値段だったんで買ってみた。

核戦争で破綻した後の世界で、毒蛇を利用した医療技術を持つ「治療師」の主人公が、点在する町を旅していく話。「夢の蛇」というのは治療に使われる蛇のひとつで、異星人によってもたらされたものらしい。
フェミニズムの強い影響を感じる。主人公が女性で、いろんな事柄が彼女の視点で語られるが、自立した女性のスタンスで、そこにフェミニズムな雰囲気が濃い。もっとも、少なくとも今読む限りは、それはごく自然な感じに見える。ただし、のちに養女になる、虐待(性的にも)されていた少女について書かれている部分については、かなり力が入っている気がするが。
そこを除くと、そんなにメッセージ性の強い部分がなくて、実験的な要素も少なく、ファンタジーぽい冒険物という雰囲気でとどまっている感じなのが、解説者(山田和子)の不満の由来するところなのかも知れないな。
ちょっと放りぱなし気味のエピソードが多かったりはするものの(特に「中央」や異星人について。それともSFにありがちな続篇が構想されていたのか?)、うまく構成されているし、主人公の心の動きも丁寧に描かれていて親しみやすかった。いい出来の小説だと思った。
(2013.5.14)

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