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感想「ふたつのアメリカ史」

「ふたつのアメリカ史」 ジェームス・M・バーダマン 東京書籍
アメリカ合衆国の歴史について、日本での一般的な認識とは異なる、主に南部視点から述べた本。著者は早稲田大学文学部教授で(この本が出た2003年時点)、日本での生活する中で、南部生まれの自分が北部人のような扱いを受けたことから、日本人の合衆国に対する認識が北部視点に偏っていることに気付いた経験が本書のベースにあるらしい。

俺もアメリカ史は世界史の一部で眺めただけだし、それは確かに北部視点だったと思う。一方でアメリカを舞台にした小説などには大量に接していて、以前から合衆国については、矛盾にしか見えない、よくわからない部分がいろいろあるのが気になってはいた。この本で、そうしたことの背景がある程度分かったような気はする。
たとえば、イギリスからの移民には、階層も地域も思想も違う4つの大きな勢力があって、メイフラワー号の連中はその一つに過ぎなかったというあたり。確かにそれなら、国の形が「合衆国」という形になるはずだし、物の考え方が違う勢力がそれだけあるのに、「アメリカ人」とひとくくりにしたら、矛盾だらけに見えるのは当たり前だな。
南部に対するイメージに統一感がない理由もかなり分かった。そのひとつは、現在では北部よりも南部の方が黒人差別が薄い面もあるという所で、なるほどという感じ。
だから、結構ためにはなったが、あくまでも、北部視点と南部視点ではこういう違いがある、という説明が著者の書きたいことであって、著者自身の考え方を表明するのは敢えて避けている風があり、そのために羅列的でいまいちまとまりがなくなってる印象はある。

それから、いかにも東京書籍の本らしく、校正が甘い(^^;)。誤字は多いし、書いてることの意味が取りにくい所もあるし。まとまりなく見える理由のいくらかは、それが原因かもしれない。
(2013.8.6)

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