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感想「抱影」

「抱影」 北方謙三 講談社文庫
多分、著者の久しぶりの現代物。3年前の新刊の文庫化で、講談社設立百周年記念出版とかで、それなりに重みのある位置付けの本だったらしい。

枯れた雰囲気などは、近年の現代物の流れの上にある感じだけど、これまでの集大成っぽい所があちこちにある。こういうのをどこかで描いていたよな、という場面が、かなり多い。
芸術家の主人公とか(それにしても、北方は、エキセントリックな芸術家をそれっぽく描くのが巧い。どこまでリアリティがあるのかは知らないけど、縁のない人間にとっては、芸術家ってこうなんだろうなと思わされる(^^;))、ヤクザやチンピラとの絡みとか、バーや酒の使い方とか。女性との絡みでSMっぽいのを出してくるのもそう。
少なくともある程度は、そういう意識で書いたんだろう。

相変わらず達者に読ませてくれたから、特に不満はないが、この主人公は、ちょっと鼻持ちならなかったという気がした。いつもの北方の主人公と大して違うわけでもないが、度合いが。

横浜が舞台で、主人公が市内を細かく動き回るあたりは、近頃、横浜市内の土地勘を養ってる所なんで、興味深かった。大岡川とか黄金町とか、認識出来るようになったのはごく最近のこと。
(2013.10.13)

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